佐世保市で三月二十九日、「SSKの不正疑惑をただし、再建を考える市民集会」が開かれ、約百人が参加しました。主催は、「SSKによる下請け業者・労働者いじめをなくし、補助金違法取得疑惑をただす会」です。
 これは、下請け業者との上下関係を悪用して「出向」を偽装し、国の助成金を不正に受給していた、佐世保重工業(SSK、本社=東京)の佐世保造船所の反社会的行為を、元下請け業者・前田和則さんが提訴(二月二十八日)したものです。
 集会で「ただす会」世話人の山下千秋さんは、「前田さんの勇気ある提訴後、一カ月間でSSKの不正の数々が暴かれ大きな変化をつくりだしたが、姫野社長は『カラ出向』を一部しか認めず部下に責任をかぶせている。たたかいはこれから」と報告しました。
 「カラ出向」にかかわる約束手形の返還と未払い代金請求で提訴した前田さんは、「退職して下請けに行った者が、SSK幹部として本工を管理する」など、よそでは考えられない異常な職場の実態がSSKの不正や下請けいじめを覆い隠したと事件の背景を説明。
 「姫野社長は、真実を説明する責任があるのに、どこにいるのかもわからない状況。姫野体制のもとではSSKの再建はない」とのべ、佐世保の基幹産業として役割の責任を果たせるSSKにしようと訴えました。
 仁比聰平弁護士は、SSKがいまだに否定している出向の実態について「法的にも、国の説明からしても、SSKの主張は根底から崩れている」と指摘。「SSKの不正受給は姫野体制の腐敗体質が下請けいじめを伴っておこなわれたもの。この経営体質をただすことは、企業をつぶすことではなく、あるべき姿にもどすこと」と、裁判の意義を強調しました。

 長崎県と雇用・能力開発機構長崎センターは二十二日、SSKを詐欺容疑で佐世保署に告訴しました。
SSKの不正疑惑をただす市民集会
民主ながさき2002年4月1日号から