日本共産党

2002年3月11日(月)「しんぶん赤旗」

SSKが不正受給か

国の助成金3億8千万円


 佐世保重工業(SSK、本社東京)が長崎県佐世保市の佐世保造船所内で職業訓練を行ったように偽装し、国の助成金「生涯能力開発給付金」を不正受給した疑いが強いことが十日までにわかりました。

 同助成金は、労働者の職業能力の開発・向上が目的。企業が計画的に教育訓練をした際、その経費や社員の賃金の一部を助成します。

 長崎県職業能力開発課によると、SSKは溶接や塗装の技術習得などの教育訓練を名目に、二〇〇〇年度に約一億五千百万円(二百一人分)、二〇〇一年度は約二億二千六百万円(三百十一人分)を受給しました。

 二〇〇〇年、〇一年の各一回、実地調査をした県は、訓練は実施されていたと判断していました。

 しかし、二〇〇〇年九月から〇一年二月の訓練の講師として指名させられた元社員は、「実際に講師をしたのは、県が調査に入った一日だけだった」と証言。上司の指示で、架空の訓練日程表を作るのに協力させられたといいます。

 複数の元社員によると、調査当日は、一定の従業員を集め、講習や実習のように装ったといい、当日は、「査察がくるまで、教室で雑談などをして過ごした」(当時の社員)といいます。

 SSKでは下請けに社員をカラ出向させ、「中高年労働移動支援特別助成金」を不正に取得した疑いもあり、社員の間では、「こんなことをしていていいのか」とささやかれていたといいます。