日本共産党

2001年11月26日(月)「しんぶん赤旗」

戦闘地へ自衛艦初出動

横須賀、呉、佐世保市民が抗議


 報復戦争参加法(テロ対策特別措置法)にもとづき、米軍によるアフガニスタンへの軍事攻撃の支援などを行うため、海上自衛隊の補給艦「とわだ」など三隻が二十五日、インド洋に向け広島県呉、神奈川県横須賀、長崎県佐世保の各基地から相次いで出動しました。憲法をじゅうりんする戦後初の戦闘時派兵に抗議する行動が、各基地周辺で繰り広げられました。

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自衛艦出港に怒りのこぶしをあげる抗議集会参加者=25日、長崎県佐世保市

 出動したのは、呉基地所属の「とわだ」のほか、被災民の生活関連物資を輸送する横須賀基地所属の掃海母艦「うらが」と、佐世保基地所属の護衛艦「さわぎり」。あわせて約四百六十人が乗り込みました。

 出港後、三隻は日本近海で合流。「うらが」「さわぎり」は、約二週間かけてパキスタンのカラチ港へ向かい、「とわだ」は途中のインド洋上で隊列を離れ、十二月中旬ごろまでに、米軍爆撃機の出撃基地がある英領ディエゴガルシア島周辺などで、米軍艦船への洋上給油などの兵たん活動を開始する予定です。

 防衛庁はすでに今月九日、同庁設置法を拡大解釈した「情報収集」を口実に、補給艦「はまな」、護衛艦「くらま」「きりさめ」(計約七百人)を先行派遣しています。これらの艦船も、十二月上旬には報復戦争参加法にもとづき、米軍への兵たん活動に任務が切り替わる予定です。

 政府は、国会審議で問題になった巡航ミサイル発射可能な米軍艦船や、米空母機動部隊への燃料補給の有無など、活動の詳細は明らかにしていません。なし崩し的に自衛隊の活動を拡大する危険も強まっています。