狂牛病(牛海綿状脳症)の発生で畜産、酪農とその関連産業に経済的損害が広がり、消費者のあいだにも不安が強まっています。県内でも、「通常より二割近く安い値でしか売れなかった。このままでは生産農家が壊滅してしまう」(子牛生産農家)、「狂牛病のニュースが流れてから客がぱたっと来なくなった。売り上げが三分の一に減少した。こんなことははじめて」(焼肉店)、などの声が上がっています。また、十八日から、食肉処理場で解体される牛の全国検査がはじまっています。
 長崎県商工団体連合会(長商連、吉次実男会長)と、長崎民主商工会(長崎民商、徳永隆行会長)は十七日、県(金子原二郎知事)たいし、「狂牛病に関する緊急要請書」を提出し、正確な情報開示や金融対策の拡充などを求めました。
 吉次、徳永両会長ら十人の代表は、「先月末から客が激減した。これから年末が不安」などと、精肉店や焼肉店の切実な声を紹介して、政府の責任を指摘しました。
 応対した県商工労働部の田中嘉昭次長らは「十八日からは検査体制も整った。十一月からはあらゆる手段で安全PRをすすめたい」などと答えました。
 申し入れには、日本共産党の中田晋介、西村貴恵子両県議も同席しました。
 要請の内容は、▽実効のある「肉骨粉の全面禁止」措置を講じるとともに、原因究明に全力をあげる▽安全検査体制の強化をはかるとともに、正確な情報公開に努める▽正しい知識の普及・PR活動の強化をはかり、風評被害をおさえる▽中小企業庁が出している、「相談窓口の設置」、「セーフティーネット保証」、「セーフティーネット貸付」の具体化を急ぎ、販売不振、出荷繰り延べなどにより経営に影響を受ける関連中小業者にたいする緊急融資制度を一日も早く実行する▽緊急融資制度は、関連するすべての中小業者が利用できるものにし、六カ月据え置き、返済期間三年以上、実質無利子とする。県としての利子補給もする▽既存債務の返済について、「返済凍結」「返済猶予」など返済の条件変更に機敏に応じるよう金融機関を指導する。
 ▽以上の対策を総合的に講じ、一日も早く「安全宣言」が出せる状態にする、です。
長商連が狂牛病で申し入れ
民主ながさき10月21日号より