漁業被害で有明町漁協組合長さんたちと懇談   2001年1月21日
 


 日本共産党長崎県委員会の有明海漁業被害調査団は二十一日、南高来郡有明町漁協を訪ね、被害状況と漁民の要求を聞きました。
 有明町漁協は、十七日県下の漁協でははじめて諫早湾干拓工事事務所に抗議デモをおこなった組合です。 調査団は小川きみ子県国会議員事務所長(参議院選挙区候補)、中田晋介県議、福岡洋一諫早市議、島田一徳有明町議、吉田直弘県常任委員で、漁協は松本正明組合長、橋本武監事、松本秀光青壮年部長をはじめ漁民十人と懇談しました。
 被害状況については「ノリの色落ち被害は、干拓堤防の閉め切り後おこりはじめたが、ノリ収穫の最盛期にこんなにひどいのは初めてだ」「ここの特産はタイラギとカニだったが、タイラギは干拓着工直後に全滅し、堤防閉め切り後カニもとれなくなった」「とにかく魚がいなくなって漁ができない。組合から生活資金を借りて、妻は皿洗いで働いている」と深刻な状況がつぎつぎにだされました。
 漁業被害の原因については「工事から流れでたヘドロで海底が汚れた。タイラギ漁場は砂地だったが、漁協が調査したら悪臭のするヘドロが五〇センチから二メートルもたまっていてタイラギが育たなくなった」「諫早湾の干潟がなくなって、海が浄化されず、稚魚が育つ場所がなくなった」「堤防工事のための海砂採取による海底異変」「堤防閉め切りで、潮流が遅くなり、そこへ汚れた干拓調整池の排水がくるので赤潮が起こりやすくなっている」と干拓が原因であることは明らかだとのべられました。
 要求としては「原因究明まで干拓工事の中止」「堤防水門を開けて潮をいれ諫早湾を元に戻す」「無利子長期の生活資金の融資」「被害実態にあった漁業補償」などがだされ、今後、協力して国や県に要求していこうと合意しました。
漁民のみなさんと懇談する小川きみ子さん、中田晋介県議ら日本共産党の代表