有明海の環壊悪化と漁業不振が続いている問題で、長崎県の有明町漁協(松本正明組合長)は二十六日、熊本県にある九州農政局を訪れ、谷津義男農水相にたいし、諌早湾干拓事業の見直しを求め、要望しました。
 松本組合長ら漁民三十八人は、家族や地域住民から集めた千人余の署名を添えて、要望書を提出。要望書は、▽諌呈湾干拓事業を有明海漁民と練早地区住民が共生できる事業への見直し、▽宝の海有明海再生に必要な干潟の再生のために排水門開放、▽有明海漁業再生への抜本的な水産振興−−の三点を求めています。
 要請で、松本組合長は「魚がとれれば、こんな折議をせず、仕事をしたかです」と訴えました。諌早湾の閉め切りは九七年四月。九六年までとれていたニベグチは九七年からまったくとれず、タイラギはそれ以前、工事が始まって二年後まったくとれなくなったと述べ、「主な原因が諌早湾干拓にあると確信している。一日も早く宝の海を返して、安心して魚がとれるようにしてください」と訴えました。
 漁民らは、「干潟の浄化機能がどうしても必要」「あすの生活がない。黙って死ぬわけにはいかんのです」と口々に訴えました。
 要請後、松本組合長は記者団にたいし、「防災は、海岸堤防など国土交通省がどこでもやっている工事をきちんとやり、諌早地区住民が安心でき、漁民も漁業ができ生活できるよう、両立してほしい」と語りました。
有明町漁協も干拓見直し要望
 署名添え農水相に   
     「しんぶん赤旗」2001年3月27日 第4面 より