9条手放したくない
ふちせ栄子候補の、日本共産党演説会での訴え
 会場いっぱいにお集まりのみなさんこんばんは。ご紹介いただきましたふちせ栄子でございます。本日は、お忙しい中、また雨で足元の悪い中、ご参加いただきありがとうございます。私からもお礼申しあげます。

 春名なおあきさんをはじめ比例での5議席を必ず確保するために、そして被爆地長崎から憲法9条守れの声を届けるために、全力でがんばります。どうぞ、私ふちせ栄子を国会に送り出して下さいますように、まず最初に心からお願い申しあげます。

 参議院選挙に立候補することを決意して1年3ヶ月。県内を回らせていただいていますが、どこへ行っても「一生懸命働いているのに、まともな暮らしができない。」と、いう声をたくさんお聞きします。

 私は、長崎県の最低賃金時給611円全国最低レベルですが、これで1ヶ月生活してみました。すると、服は一枚も買えず、映画や音楽を楽しむこともできず、コーヒー一杯を友達と飲むこともがまして、食費を削って削ってやっとの生活でした。
 憲法25条で保障されているはずの健康で文化的な最低限度の生活すらできません。

 6月20日に、青年・学生キャラバンで私の娘と同じ20代の若者たちと、行動を共にした時です。若者がマイクをにぎって、「自分は時給900円で働いている。それでも月に14万円にしかならない。僕より低い賃金で働いている人がいっぱいいる。」と、訴えると若い人だけでなく、母親と思える人が振り向き真剣なまなざしで見つめられました。

 私も、この春に初めて娘を社会に送り出しましたが、若者の二人に一人が派遣や請負でしか働けない。安い賃金と長時間労働で働かされ、真面目に働いても貧しさから抜け出せない社会、親が安心して子どもを送り出せない社会に強い憤りを感じます。

 若者を使い捨てにする、長時間労働と不安定な雇用を広げた、財界いいなりの自民党・公明党の政治は、本当に許せません。また、政府与党と競い合って雇用のルール働くルールををこわしてきた民主党に働く者を守ることができるでしょうか。

 若者から、夢や希望を奪うような働かせ方をする政治では、日本の未来は開かれません。
 私は、最低賃金をせめて時給千円に引き上げることを求め、長時間労働とタダ働きをやめさせます。

 人口8000人あまり、有権者6600人ほどの小さな町、旧大瀬戸町での町会議員としての経験しかない私が、国政に挑戦しようと決意したのは、私たちが額に汗して働いて納めた税金が、ムダで有害な諫早湾干拓事業につぎ込まれ、その事業によって宝の海が奪われただけでなく、漁師の命までもが奪われていたからです。

 私は、4月23日に長崎地方裁判所で開かれた、諫早干拓農地の不当なリースに県民の税金53億円を使うなと、76人の原告が県を訴えている裁判を傍聴しました。

 普段と違う背広に身を包んだ漁師である原告が、「有明異変」といわれるほどの漁場の悪化の中で、適切な漁業技術の指導も受けられないままに、漁業不振にあえいでいる現状を切々と語り、厳しい長崎県の財政状況で、仮に53億円の税金を投入するのであれば、漁師のため、そして真の有明海再生に活かしてほしいと意見を述べるのを目のあたりにしました。

 私のつれあいも海で働いており、漁師の多い町に住んで23年になる私は、人前で話すことを苦手とする人が多いことを知っています。それだけに、裁判所での意見は胸に迫り、もうこれ以上、漁師の命を奪われたくないと、決意を新にしました。

 みなさん、政府・与党によって進められた政治は、漁師の命を奪っただけではありません。庶民への大増税が消費を冷え込ませたために、私の知り合いだけでも二人の方が商売に行き詰まり、自らの命をたちました。

 そして、自営業や漁師さんや無職の方々が入っておられるのが、国民健康保険です。この保険税が、払いたくても払えないほど高くなっています。滞納を余儀なくされているご家庭では、正規の保険証をとりあげられ手元にありません。

 先日、日本共産党の五島市議団に、「70代の夫が脳梗塞で倒れたが、保険証がなくて病院に連れていけない。なんとかしてほしい。」と相談がありました。この時には、すぐに行政に対応をしてもらい病院にかかることができました。しかし、長崎市では国保税が高くて加入することができずにいた妹さんが、病院にいけず数珠を枕元に置いて動けずにいたのを、心配して訪問したお姉さんが発見されて、緊急に病院に搬送されましたが、手遅れで数日後お亡くなりになりました。

 長崎県内での国保税滞納世帯は5万6千世帯。全世帯の17%です。病院の窓口で全額の支払いを求められる資格証明書しか渡されていない世帯は3500世帯にのぼります。
 なぜ、こんなにも国保税は高いのでしょうか。それは、この20年の間に、国からのお金を1兆6000億円も減らしつづけてきたからです。その分、市町村や加入者に大きな負担が押しつけられています。

 私は、5月29日に、今日、司会を務めています堀江ひとみ県議をはじめ日本共産党の地方議員団のみなさんと、厚生労働省に直接、出向いていきました。そして、「命をおびやかす国民健康保険証のとりあげをやめてほしい。一人あたり1万円の国保税の引下げてほしい。」と、求めてきました。ひきつづき、誰もが安心して医療を受けられるように力をつくします。

 憲法を守れるかどうかも大事な争点ではないでしょうか。この60年間、戦争をしないと誓った9条があったからこそ、日本の母親は戦争で我が子の命を失うことはありませんでした。それだけではありません。他のどの国の母親からも戦争によって子どもを奪うことを許してこなかったのです。

 私は、この憲法9条を絶対に手放したくないのです。9条を変えてアメリカと一緒になって、海外で戦争のできる国にしようとしている自民党・公明党・民主党に子どもたちの未来を託すことはできません。9条守れの願いは日本共産党と私ふちせ栄子に託してください。

 私は、幸せになりたい。でも、自分の側で誰かが泣いていたのでは、本当には幸せにはなれない。ほんの少しでもいいから人の役にたつ生き方がしたいと思い、最初は知的障害を持つ子どもたちの施設で働き、その後、働いた法律事務所で日本共産党と出会いました。
 他の弁護士さんが引き受けたがらないような相談にも、献身的に取り組む日本共産党員の弁護士の姿に、私の求めていた生き方を見つけた思いで、25歳の時に日本共産党に入りました。

 そんな私には、「早く死ねと言われているようだ」と、お年寄りに言わせてしまう政治、「社会参加の道が閉ざされるようだ」と、障害者のみなさんを嘆かせてしまう政治、「ひっそりと暮らさなければ」と、母子家庭のお母さんに思わせてしまう政治を、許すことができないのです。
 誰もが、夢と希望を持つことのできる政治をみなさんと、ご一緒に作っていきたいと思います。

 参議院選挙では、なんとしても比例で5議席を、そして私ふちせ栄子を国会に送っていただけるように、日本共産党を大きく躍進させていただきますことを、重ねて心からおねがいいたしまして、私のお話とさせていただきます。ありがとうございました。