被爆地長崎から、憲法9条を守れの声を
 2月12日、日本共産党演説会での、ふちせ栄子参院候補の演説を紹介します。

 会場いっぱいにお集まりのみなさんこんにちは、ただいまご紹介いただきましたふちせ栄子でございます。本日は、お忙しい中ご参加いただきありがとうございます。私からも心からお礼申しあげます。
 いっせい地方選挙に続いて行われる参議院選挙、春名なおあき比例代表候補とともに、全力をつくしてまいります。ぜひ、みなさんの大きなご支援をお寄せいただきますように、まず最初に心からお願い申し上げます。

 参議院選挙は、私にとって二度目の国政への挑戦となります。一度目は、小泉前総理によって、「郵政民営化の是非を問う」と実施された解散総選挙での長崎2区からの立候補です。
 私が立候補を決意したのは、私たちが額に汗して働いて納めた税金が、ムダで有害な諫早湾干拓事業につぎ込まれ、その事業によって宝の海が奪われるだけでなく漁師の命までもが奪われていたからです。

 私のつれあいも海で働いています。船のエンジンの故障で、仲間の漁師の船からひっぱられて港にもどってきたことがあります。また、船から転落して行方不明になった仲間の漁師の捜索にあたったこともあります。
 漁師は、日々、命と向き合って仕事をしています。誰よりも命の重みを知っているはずの漁師を、自らの命を絶つという道に追い込んだ政治を許すことができない。なんとしても変えたいとの思いからでした。
 みなさん、政府・与党によって進められてきた政治は、漁師の命を奪っただけではありません。国民には、「自助努力」を求め、負担を増やしてきました。

 私が、社会人となって最初に働いた職場は、知的障害者の福祉施設でした。そこで、洗濯ばさみの組みたて作業を共にした経験があります。1個が何銭という世界でしたが、それは今も変わっていません。お訪ねしたある身体障害者福祉作業所では、一日の工賃が200円でした。所長さんは、「政治は、障害者年金をもらっているからいいではないかと思っているようだが、決してそうではない。仕事に見合う評価をしてもらってこそ生きがいです。せめて月に一万円の工賃をめざすことが関係者のスローガンになっている。」と語ってくれました。

 そんな時に、障害者自立支援法によって工賃を上回る利用料の負担が求められ、障害者のみなさんから社会参加の場を奪っています。

 年々、受け取る年金が減らされている高齢者のみなさんには、5倍10倍の増税が押しつけられています。お会いした男性からは、「長生きできる人は年金を小遣いとして使える人。年金を頼りに生活している人は早く死ねと言われているようなもの。」だと、悲痛な声が寄せられました。病院や介護施設では、住居費や食費の負担が求められ、一月の負担が二万円も三万円も増えたために、病気が治ったわけでもない、介護が必要でなくなったわけでもないのに、出ていかなければならなくなっています。

 長崎原爆の被爆地域指定は、旧長崎市の行政区に限られたために、半径12キロ圏内であっても、旧町村は指定されないといういびつな形になっています。地域拡大の要望から始まった被爆体験者としての医療給付でさえ、幼い頃に被爆した人には記憶がないとして、対象者の3割もの人を冷たく切り捨てました。

 ところが、一方ではどうでしょうか。企業献金を受け取っている上に、税金である政党助成金を受け取りながら、家賃が一円もいらない議員会館に主な事務所を置いているのに、毎年数千万円の経費を計上している自民党や民主党の国会議員がいることが明かになりました。

 みなさん、「自助努力」を言うのであれば、日本共産党以外の政党が受け取っている、年間300億円を超える政党助成金を廃止し、税金は一円たりともムダにせず国民のために使うべきではないでしょうか。

 大企業には減税、庶民には大増税の政治をやめさせ、何としても、希望を持って暮らしていける長崎・日本にするために、新しい政治をみなさんと共に作っていきたいと、参議院選挙への立候補を決意しました。

 私は、これまで8月9日の11時2分には、どこにいても黙とうをすることを心がけてきましたが、昨年、平和祈念式典に初めて参列いたしました。被爆者代表の中村キクヨさんが、「被爆二世の次男を亡くしたときに、先生から白血病は母体からもらったものだと言われ、この一言が忘れられずに今も苦しんでいます。」と言われた平和の誓いを直接聞き、無念さがひしひしと伝わってきて涙をこらえることができませんでした。

 被爆地長崎の心を大切にする道は、二度と戦争を繰り返さないという決意が刻み込まれた憲法9条を守る道しかありません。
 私は、ある若者から「憲法9条は人類の生み出した智慧である」との、深い思いを教えてもらいました。

 未来ある若者たちの手に銃を持たせることがあってはなりません。被爆地長崎から、憲法9条を守れの声を私ふちせ栄子に届けさせて下さい。
 「暮らしを守れ」「平和を守れ」の願いを、日本共産党に託していただき、いっせい地方選挙と参議院選挙で、日本共産党を大きく躍進させていただきますことを、心から重ねてお願いいたしまして、私のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました