参院選に勝利し「中・長期開門調査、潮流と干潟回復を」

 長崎県入りした日本共産党の仁比そうへい参院比例代表候補は、原口敏彦同選挙区候補とともに六日、島原市で周辺の漁業者ら約三十人と懇談し、有明海の現状への不安と怒り、再生への思いを語り合いました。
 小沢和秋元衆院議員も駆けつけて漁民らを激励、上田泉島原市議とともに「宝の海再生へ、ともにたたかう国会議席を」と訴えました。
 仁比候補は、海上デモなどねばり強い漁民のたたかいを激励、「いまが正念場、有明海再生へ何が必要かをともに考えたい」と呼びかけました。
 参加した漁民は、「『謎の浮遊物』がまた現れ始めた」などと島原周辺の海の現状を報告。農水省が見送りを狙う中・長期開門調査の必要性ついて、「元の潮流が戻らないと漁業はやっていけなくなる。開門調査で海の変化を見ながら、堤防を大きく開ける以外にない。そうすれば必ず魚も戻り、干潟も回復する」と強調しました。
 また漁民らは、「『工事は九割完成している』という人もいるが、調整池の水質改善だけでも今後さらに莫大な税金が投入されることになる。有明海が死の海になり、漁民が陸にあがってからでは遅い」と口をそろえました。
 仁比候補はこうした声にも答えて、農水省が開門調査をやらない理由に「新たな漁業被害」をあげていることを、「汚濁した調整池をつくってきた自らの責任を放置するもの。『漁業被害』は短期調査の前に農水省が自ら否定してきたデマ」と指摘しました。また、「開門調査は漁民と市民共通の思い。環境再生型の公共事業への転換を」と、参院選勝利へ強い決意を表明しました。
 島原での懇談に先立ち仁比候補は、諫早でも市民団体の代表らと懇談。諫早湾干拓事業や年金問題、イラク問題、憲法改悪問題などの質問にていねいに答えました。
 参加者の一人は、「憲法9条はどんなことがあっても守ってほしい。この思いを今度こそ仁比さんに託したい」と、強い期待を寄せました。
仁比候補の母・貞子さん、島原で五十年来の同級生と再会。「世の中バランスが大事、共産党がんばって」と激励の声

 六日の行動には、高校までを島原市で過ごした仁比候補の母・貞子さんも同行。「なつかしい人にも会えました」と、五十年ぶりに同級生と再開できた喜びや、有明海に親しんで過ごした少女時代を語り、「この美しい海や山を守りたい」と、参院選への支援を呼びかけました。
 同市で著名な同級生から、「総選挙で共産党が減ったのは残念。世の中バランスが大事、表向きは応援できないががんばってほしい」と、激励の声が寄せられたことが紹介されました。
仁比氏島原入り、仁比候補ら有明漁民と懇談
島原出身の母親、貞子さんも同行