2003年12月18日(木)「しんぶん赤旗」

挑む

憲法・暮らし守る行動力

仁比そうへい(にひ 聰平)さん(40)新

弁護士 党福岡県委員


 国政の場へ四度目の挑戦です。若さと持ち前の行動力で、中国、四国、九州、沖縄の広い十七県を駆け巡ります。


●父の背中が原点

写真

「よみがえれ有明訴訟」で署名、宣伝する原告・支援者と話す仁比候補(右)=福岡市

 「よみがえれ有明訴訟」弁護団の一員として、諫早湾干拓の工事差し止めを求める仮処分の結審(佐賀地裁)に参加、松山市などでイラク派兵の中止を求めて街頭から訴え、松江市で中海・本庄工区の堤防開削問題で漁協組合長らと懇談……。弁護士として日本共産党員として、憲法を基本に「人間が大切にされる社会」の実現をめざしています。

 活動の原点は新日鉄の労働者で、リストラとたたかう父親の背中です。

 一九七〇年代、理不尽な大量配転のあらしが吹き荒れ、父親は反対闘争の先頭に立ちました。父親の肩車で集会やデモにも参加しました。

 その新日鉄で、いま死亡事故が相次いでいます。「命まで奪い尽くす資本のやり方は許せない」

 京都大学で、スモン病患者や京都水俣病の患者らと交流するなかで「憲法を中心に法律を武器として、社会を変えたい」と弁護士をめざしました。生まれ育った北九州に戻り、新日鉄の強制出向とたたかう裁判の弁護団に参加し、福原学園(北九州市)の教員不当解雇事件の裁判では、全面勝利に導きました。

●難民の子どもと

 忘れられないことがあります。昨年一月、自由法曹団のパキスタン現地調査に参加。「戦争は最大の人権侵害」と心に刻みました。

 アフガン国境の難民キャンプで、アメリカの空爆を避け、千キロ以上の道のりを四十日間かけて逃げてきた十四歳の少年に会いました。「いちばん欲しいものはなに?」と尋ねると、少年の返事は、水でも食料でも住宅でもありませんでした。「世界中の人たちにアメリカの戦争に反対してほしい」と。

 帰国して、自宅で温かい布団で眠るわが子の安らかな寝息を聞いたとき、「難民の子どもたちは、土にまみれはだしのままで寒さに耐えている」と思わず涙しました。

 いま、イラクでも無法な戦争と占領で、子どもたちの命を奪い傷つけているアメリカ。憲法を踏みにじって派兵しようとしている自民、公明に怒りを新たにします。

 記事・山本弘之記者

 写真・林 行博記者


 【おもな経歴】1963年、北九州市生まれ。京都大学卒。北九州第一法律事務所に入所。新日鉄強制出向無効裁判などを担当。市民オンブズマン北九州の事務局長として「官官接待」を削減させる。現在、党福岡県委員。家族は妻と1男1女。

 【活動地域】中国(岡山、広島、山口、鳥取、島根の各県)、四国(香川、愛媛、徳島、高知の各県)、九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島の各県)、沖縄県