2003年10月23日(木)「しんぶん赤旗」

諫早干拓

市民団体が有明沿岸の候補者アンケート

自民党 大半が回答せず

民主党 「推進」の前議員

日本共産党 凍結・見直し


 有明海を「宝の海」としてよみがえらせよう、と運動している市民団体「諫早干潟緊急救済本部」(山下八千代代表)と同東京事務所(陣内隆之代表)は二十二日、有明海沿岸四県(福岡、佐賀、長崎、熊本)の次期衆院選小選挙区立候補予定者への諫早湾干拓事業に関するアンケート結果を発表しました。すべての立候補予定者が「工事凍結と抜本的見直し」と回答したのは日本共産党だけでした。

 アンケートには、六十五人の立候補予定者のうち、三十八人が回答しました。

 自民党から回答があったのはたった二人だけ。久間章生幹事長代理(長崎二区)、古賀誠元幹事長(福岡七区)、松岡利勝元農水副大臣(熊本三区)など大半は無回答でした。回答者の一人、北村誠吾前議員(長崎四区)は「計画どおり進めるべきだ」と「推進」の立場を表明しました。

 民主党も長崎三区の山田正彦前議員は、明確に事業推進論。「二〇〇六年度の完成を目指して計画通り進めるべきだ」と回答しています。閉め切った水門を中・長期に開けて調査する「中・長期開門調査」にも「実施すべきでない」と拒否。ノリ不作や漁業不振などの有明海異変と事業との関連性についても「影響は軽微と考える」としました。

 民主党は、マニフェスト(政権公約)の要約である「五つの約束」では、事業「即時中止」をいいながら、マニフェスト本文では「今後のあり方を見直します」とするあいまいさ。「即時中止」の文言に反発してマニフェストへの署名をいったん拒否し、その後応じた長崎一区の高木義明前議員(県連代表)は、今回回答もしませんでした。

 長崎二区で民主党の支援を受けている社民党の熊江雅子氏は、有明海異変への認識や干拓事業の今後について回答しませんでした。社民党は事業推進の県政与党。

 日本共産党の、仁比そうへい・比例候補(九州・沖縄ブロック、福岡十区と重複)は、「諫早干拓の中止、中長期開門調査の実施と干潟の再生、環境保全・再生型の政治への転換へ全力を尽くします」と表明。他の日本共産党候補も、同じ立場をつらぬいています。

共産党の前進に期待しています

 馬奈木 昭雄・よみがえれ!有明海訴訟弁護団長の話 諫早干拓事業や、川辺川ダムはまさにムダな公共事業の典型で、住民の生活と地域の環境を守るためにも、きっぱり中止すべきです。国の政策の変更を求めるたたかいで、率先してがんばってきたのが日本共産党です。その先頭に立ってきたのが小沢和秋・前衆院議員でした。小沢議員とともに弁護団の一員としてこの問題にとりくんできた仁比そうへい候補がこんどの選挙で勝利し、小沢議員のあとを引き継いで衆院議員としてがんばってもらうことは、私たちの活動をさらに前進させることになると、期待しています。比例選挙では、日本共産党と書いてほしいと思っています。