日本共産党の衆院選挙比例候補(第二次)として発表後、活動を開始した西村貴恵子さんに抱負を聞きました。

−比例候補になってからすぐに、政府交渉、豪雨災害調査と駆けめぐる日々ですね。

西村 豪雨災害では、七月十八日夜、JR長崎本線で特急かもめの落石による脱線横転事故が起き、現場に駆けつけ被害状況を調査したり、病院に被災者を見舞いました。続いて長崎県琴海町、熊本県水俣市、鹿児島県菱刈町など各地で被害が相次ぎ、無念でなりません。
 諫早市の脱線現場は、田んぼの中にひっくり返った車両を見て、ぞっとするとともに人命が失われなかったことは不幸中の幸いと思いました。現場は切り通しで、崖から石が崩れている状況をみたとき、日常的に地盤のゆるみなどの点検がどの程度やられているのか、安全対策がどうだったのかの検証が必要だと感じました。
 病院では、二十一歳の若い娘さんを見舞いました。顔を列車の窓に、ガラスが割れるような勢いでぶつけ、そのまま天井へ体ごと飛ばされてぶつかり、床に投げ出されて、意識不明で病院に運ばれたそうです。床と座席の間に不自然な形で倒れていたため、片足の自由が利かない状態で、「もう列車には乗りたくない」という訴えを聞き、胸が痛みました。
 JRになって人減らしがすすんでいるそうです。公共交通機関として、乗客が安心して利用できるように教訓を生かすことを求めていきたいと思います。
 自然災害が起きるたびに思うのは、長崎県は雲仙災害を経験し、全国からの支援もいただきましたが、その教訓が生かされていないと感じることです。政治はなによりも国民の生命、安全、財産を守らなければいけないのに、そうなっていません。公共事業でも、諫早湾干拓事業には二千億円以上もつぎ込みながら、土砂災害を防ぐため土石流の危険渓流の整備率は全国でわずかc%です。被災者への生活再建でも、支援する法体系がととのっていないことを雲仙災害でも体験し、公民館などを訪ね避難している人の声を聞き、国に何度も足を運び、避難者への食事供与支援など、一つひとつこじ開けるように実現しました。生活再建をきちんと支援する政治が必要です。

−政府交渉はいかがでしたか?
西村 諫早湾干拓事業(諫干)の中止と有明海の再生を農水省に迫ってきましたが、漁民の生活は本当に深刻で、国保税が払えず滞納し保険証をとりあげられている漁民が増えています。どの漁民も多額の借金を抱え、ノリ不作の年には、収入がほとんどなく、借金は返せず、逆に生活資金を借りて、その年をしのいだような状況で、去年平年作だったといっても、生活はとても大変です。「なぞの浮遊物」は有明海の環境がいかに悪化しているかを象徴しているというように、魚や貝の漁獲高も激減し、漁業被害は甚大です。

−諫早湾干拓では政治とカネの問題が問われていますね。
西村 自民党長崎県連の違法献金事件は有罪判決が出たわけですが、自民党県連がもらった企業団体献金のうち三分の一が諫干受注企業からのものです。自民党は、久間政調会長代理ら国会議員、長崎、熊本県連が十二億円もの献金を諫干受注業者から受け取っています。まさに諫干は、政官業の「鉄のトライアングル」の象徴になっています。自然環境をこわし、国民の大事な漁業資源を奪い去り、漁民の生活を奪い去ることに、怒りをおぼえます。大企業・ゼネコン優先の政治を国民共同の力で変えたいですね。
 民主党は長崎では諫干推進で、知事選では金子知事を応援し、小泉首相にも「どうして干拓推進の候補を応援したのか」と言い返される状況です。長崎県議会では、公共事業の受注企業の政治献金禁止を求める請願を日本共産党以外の各党、民主党、社民党を含むすべての党が否決しました。政官業癒着をたちきる仕事ができるのは日本共産党しかありません。

−九日の長崎原爆の日が目前ですが…。
西村 平和のメッセージは、ぜひとも国政の場で発信したいですね。自衛隊のイラク派兵の問題でも、佐世保からの派遣がとりざたされていますが、この間の海外派遣で、自衛隊員の妻たちが泣きながら送り出す姿を見て、その妻たちの気持ちを思うと、憲法九条を持つ国でなぜ戦地に夫を送るのか、小泉内閣のこわさをつくづく感じました。
 安保・外交でも、暮らしの問題でも、日本共産党が健在なことが日本の未来の方向を示しています。そして、国民は政治ががらっと変わることを求めているのを実感します。日本共産党を大きくするとりくみの一翼を候補者として担って、日本共産党を大いに語って、がんばります。
政治変えたい、国民の願い実感
衆院比例候補 西村きえ子さんが抱負を語る
「しんぶん赤旗」2003/8/7