SSKの助成金不正受給問題


SSKの助成金不正受給問題

会社側確認以外の出向の実態調査する

小沢議員に厚労省が約束


 佐世保重工業(SSK)が「カラ出向」と「カラ教育」という前代未聞の悪質な手口で、数億円にのぼる国の助成金を不正受給していた問題で、日本共産党の小沢和秋衆議院議員は3月26日、厚生労働省から事情聴取をおこない、問いただしました。 

 この問題は、先月末に元SSK下請けの前田工業が不払い問題などでSSKを提訴したことで表面化。次々と関係者の証言が明るみになる中、当初否定していたSSKは一転して事実を認めたものの、複数の下請け業者の指摘している分の「カラ出向」の全容は明らかになっていません。

 同省の担当者は、SSKの約880名のうちSSKが認めた21人以外の出向者についても「出向の実態があったかどうかきちんと調査する」と回答。

 県の査察の日時が事前に伝えられ教育訓練をおこなっているかのように偽装されていた問題では、「(SSKから査察日時を)事前に教えてもらいたいと要請があった」ことが明らかになり、行政の対応に問題があったことが浮きぼりになりました。

 同省は、今後の調査で新たな「から出向」が判明した場合、助成金制度のしくみから、下請け業者に返還請求がだされる可能性についても言及しました。
同席した前田工業の前田和則社長は「出向は名簿がきただけで実体はなかった。いい制度つくってもなんにもなっていない。このままだと下請けはつぶれろということになる」などと訴えました。

 小沢議員は「下請けは利用されただけで、助成金制度を悪用し税金を詐取したものだ」「下請けの訴えをふまえて調査し、被害者である下請けが取り立てにあうようなことにならないよう適切な措置を」と要請しました。

 「SSKによる下請け業者・労働者いじめをなくし、補助金不正取得疑惑をただす会」の仁比聡平弁護士、山下千秋党前佐世保市議、松尾豊子事務局長らが同席しました。(しんぶん赤旗九州・沖縄面)