長崎諌早湾干拓事業「これ以上すすめたら、取り返しつかぬ」

干潟や有明海の再生を/小沢議員が内部堤防工事を視察

 「諌早湾干潟の再生を」の声が日増しに高まるなか、長崎県入りした日本共産党の小沢和秋衆院議員は十七日、干潟再生に決定的影響をもつ諌早湾干拓の内部堤防工事の進ちょく状況と、湾背後地・諌早市の低平地の防災工事現場を視察しました。小川きみ子党国会議員団県事務所長(参院長崎選挙区候補)と北村伝諫早市議らが同行しました。
 潮受け堤防内部の調整池ではいま、農地造成のための内部堤防建設工事が進められ、陸地側半分がほぼ干陸化しており、すでにその全容が水面に現れはじめています。

 この工事が完成すれば、有明海干潟の四〇%をしめるかつての広大な諌早湾干潟は消滅してしまい、再生は不可能といわれています。

 工事現場を近くの旧堤防から視察した小沢議員は、「前回視察のときはまだ前面堤防の姿は見えなかった。工事がすすんでいるのにびっくリしている。これ以上工事をすすめたら、干潟や有明海の再生にとって取り返しがつかない」と話しました。

 一行は、同湾にそそぐ本明川と支流の半造川の合流地点を視察。国土交通省によって大規模なしゅんせつと拡幅工事がすすめられており、周辺低平地の防災やかん水対策のためには、大型排水ポンプの増設や、旧堤防の改造こそ必要であることが明らかになりました。

 一行の間からは、「佐賀県でやられている防災対策が、なぜここではやられないのか」などの声が出されていました。