一時中断も/農水相“検討委員会判断あれば”

衆院予算委員会で小沢議員へ答弁

 有明海の繁殖ノリ被害で、谷津義男農水相は、二月二十八日の衆院予算委員会で、第三者による調査検討委員会が諫早湾干拓工事の一時中断を判断すれば、「どこまでもそのようにおこなっていきたい」とのべ、事業の一時中断もありうるとの見解を示しました。日本共産党の小沢和秋衆院議員の質問に対する答弁。

 小沢氏は、諫早湾の潮受け堤防工事が着工された一九九〇年以降、有明海の漁獲量が急減している資料パネルを示し、「諫早湾干拓事業が決定的な原因であることはきわめて明瞭だ」と強調。谷津農水相は「数字を見る限り、そういう傾向は見られる」と事実上認めました。

 さらに小沢氏は、内部堤防の建設工事の中止・凍結を要求。「いま一番必要なことは、周辺漁民が納得できるようなヘドロの放出を最小限抑える方法で、水門を開いて諫早湾に海水を入れ、干潟を再生し、有明海全体をよみがえらせることだ」と指摘しました。
 
 谷津農水相は「できるだけ早く調査に入る必要があるので、三月三日に第三者の検討委員会を開くことにした」と説明。「検討委員会が水門を開いて調査するとした場合は、ただちに開けて調査に入ってもらいたい。同時に(検討委員会が)干拓工事を中断してもということならば、それも考えている」とのべました。