2010年長崎県知事選挙の結果について

                               2010年2月22日
                               日本共産党長崎県委員会

■2010年2月21日投開票された長崎県知事選挙で、わが党は「民主長崎県政をつくる会」が擁立した深町孝郎候補を推薦し、「つくる会」の構成団体のみなさんとともに、勝利めざして奮闘しました。

 結果は前副知事で自公の支援を受けた中村法道候補が当選し、深町候補は及びませんでした。私たちは、先頭に立って奮闘された深町孝郎さんとそのご家族に心から敬意を表します。

 そして、ご支持いただいた県民のみなさん、寒さの中奮闘いただいた「つくる会」の構成団体と会員の方、党支持者、後援会員、党員のみなさんに心から感謝いたします。


■今回の選挙は自公政権が退場して新政権が成立するという新しい情勢のもとで初めての県知事選挙となりました。現知事が自らすすめた県政に行き詰まり、新政権下での県政運営に展望をなくして立候補できない中、新人7人が立候補する事態になりました。

 政権与党の民主、社民、国民新の各党は農林水産省の若手官僚を擁立しましたが、「変革」と叫んでも現県政のどこを変えるかの具体策は示せず、諌早湾干拓、新幹線など重要問題では、現県政と同じ立場で対立軸を示すことができませんでした。また、「政治とカネ」、政策のブレなどで新政権と民主党に対する期待感が急速に薄れ、衆院選で得た3党得票比例()より17万票減らす結果になりました。

 自民党は現知事の不出馬会見直後は、同じ県政与党の民主党に「共闘」を呼びかける狼狽ぶりでしたが、自民色を出さないことを条件に前副知事を擁立し、公明党とともに全力で支援しました。

 前副知事は当選しましたが、金子知事の前回票から8万票以上減らし、県政史上得票率が5割を切った初めての知事となりました。しかも、自公の衆院選得票(比例)から4万6千票減らしており、「自民党が支持を取り戻した」わけではありません。

 これに対して、「つくる会」の深町さんは、新幹線や石木ダムなど無駄な大型事業をきっぱり中止し、それを財源に県民の仕事と雇用を増やし、子どもの医療費無料化拡大など福祉、教育を充実させる政策を明確に掲げました。

 県政を変えたいという県民の強い思いに応える公約であり、4大問題(新幹線、諫干、石木ダム、県庁移転)についての提起も多くの県民世論と合致したものでした。

 「テレビの討論を見て深町さんに決めた」、「法定ビラに書いてあることに共鳴して入れる」…こうした多くの声がそのことを示しています。

 しかし、深町さんのこうした政策が届いたのは、私たちの力量不足もあり、県民全体からすればわずかであり、「政治を変えたい」と模索する多くの県民の受け皿になることはできませんでした。

 4つの小選挙区ですべて自民党を敗北させた長崎県の有権者は、新政権への期待が裏切られるもとでも、よりよい政治を求めて真剣な模索を続けています。昨年の総選挙で民主党に投票した人たちの多くから、「今度は誰に入れて良いか、わからない。しかし自民党には戻りたくない」という声が聞かれました。

 それは現県政の継承より刷新を望む声が多数であり(長崎新聞調査)、「県政を変える」ことを表明した候補者全体の得票が55%に及んだことにも、明確に現れています。

 「今のままではダメ。長崎をかえんば。刷新が必要」と声高に叫んだ、元プロレスラー、元参議院議員の大仁田厚氏がその知名度を生かして大量得票したのも、民主と自民に不信を持ち「政治を良くしたい」と願う有権者の受け皿となったからです。


■わが党と「つくる会」が一貫して主張し、公約に掲げた「子どもの医療費助成は立て替え払いのない現物給付で」という要求は、市民団体のアンケートに全候補者が「現物給付にする」と答えたことで、実現への展望が見えてきました。

 また、「つくる会」の深町さんだけが反対してきた「現計画での長崎新幹線」についても、すべての候補者が、「フル規格」「中止」などの声をあげ、現計画で推進という立場の人はいませんでした。県庁移転についても、当選した中村氏を含めて、「移転ありきでない」と言明しました。

 「つくる会」と深町さんの訴えと政策は、県政を動かしており、今後の県民運動の大きな力となることは間違いありません。

 日本共産党は、「つくる会」が選挙で掲げた公約の実現と、「大型事業中心から、福祉教育を大事にする県政」への転換めざし、今後とも「つくる会」や県民みなさんと力を合わせ、議会内外で全力で頑張ります。


■今年7月には参院選、来年はいっせい地方選挙が行われます。国政も地方政治も前に進めるために、日本共産党の前進が強く求められています。

 知事選で示されたように、「政治をよくしたい」という県民の模索は続いており、私たちの奮闘いかんで、これからの選挙で前進することは充分可能です。

 私たちは今度の選挙の教訓からしっかり学び、第25回党大会で示された政治方針を全支部と全党員のものにして、党員と「しんぶん赤旗」読者を大きく増やし、選挙に勝てる党づくりのために、心新たに頑張ります。5月23日に紙智子参議院議員・農漁民局長を迎えた演説会など、選挙勝利をめざす諸活動をただちに開始します。

 県民のみなさんの今後とものご支援を、心からお願いいたします。