九州電力株式会社
社長 眞部利應 様            
2009年5月14日
日本共産党福岡県委員会 委員長 岡野 隆
日本共産党佐賀県委員会 委員長 平林正勝
日本共産党長崎県委員会 委員長 山下満昭

プルサーマル・中間貯蔵施設に関する要求書

 貴社は玄海原子力発電所3号機で計画しているプルサーマルについて、MOX燃料を積んだ輸送船は5月後半に着く予定と言っている。

 4月21日には、8月下旬から始まる定期検査に合わせてMOX燃料を装荷した際の安全解析結果などを示した工事計画を国に申請している。

 申請通りに工事がされたかどうか国の検査があり、国の認可が出れば10月下旬にも運転開始をしようとしている。

 しかし、国内の商業炉での本格的な導入は玄海原発が初めてであり、これは実験と同じである。

 また中間貯蔵施設について玄海町の岸本英雄町長は、「九電から町内への建設について打診があれば検討する」と表明しているが、柏崎・刈羽原発事故や原発内での火災事故、青森県六ケ所村の再処理工場トラブルなど、安全性をめぐり住民の不安は根強く、プルサーマルや中間貯蔵施設への不安は広がっているのが現状である。住民の生命と暮らしを無視した無責任な行為を、決して容認することはできない。わが国のエネルギー政策は、化石燃料偏重・原発だのみから脱却し、自然エネルギー重視への抜本的転換が必要となっている。

 よって、下記の項目について申し入れるものである。

要求事項

1)東京電力の長期に及ぶ点検作業記録の改ざん・隠ぺいという許しがたい不祥事の発覚により経済産業省・原子力安全・保安院のチェック機能不全の実態が明らかになり、原子力にとっての最重要課題である『安全性』について国や東京電力にたいする国民・住民の信頼は一挙に崩れ去った。貴社がいうプルサーマル導入について耐震基準も明確にされないままで「安全」の根拠はどこにあるのか、明らかにすること。

2)貴社の宣伝は、放射能の危険性、放射能災害の重大性、放射能災害への対処法などプルサーマルの危険性には触れていないのはなぜなのか、理由を示すこと。

3)使用済み核燃料の最終処分場も決まっていない核燃料サイクルは破たんしている。プルサーマル計画は即刻中止すること。

4)中間貯蔵施設の候補地について、貴社はどういう考え方をもっているのか明らかにすること。住民の合意のないままの玄海町への中間貯蔵施設の建設は計画しないこと。

5)老朽化で安全が心配される建設後30年をこえる玄海原発1号機と、まもなく30年をむかえる同2号機については、ただちに運転を中止し、総点検するとともに、住民合意が得られるまでは運転を再開しないこと。

6)原発から10`圏内に唐津市民は27000人住んでおり、これは玄海町の人口の4倍となっている。唐津市が貴社に「安全協定」の申し入れをすれば安全協定を結ぶことができるようにすること。また、長崎県松浦市では原発から15`圏内に約2万6000人が生活している。貴社が、松浦市との安全対策協議を積極的におこなうこと。

7)前原・糸島地域に核廃棄物最終処分場の誘致をめざす動きがあるが、この件に関する情報公開を積極的におこなうこと。

8)人口増・産業団地造成に対応するためと称して前原市に22万ボルト級の変電所を設置する動きがあるが、直接・間接に、プルサーマル発電との関連はないのか、説明願いたい。

9)太陽光発電や風力発電などで生み出される電力について貴社は買い取る量を制限しないこと。

10)貴社が原発優先から脱却し、自然エネルギーの比重を抜本的に高めること。

以 上