2007年9月4日。日本共産党の田村貴昭衆院比例候補、堀江ひとみ県議、諫早、島原、雲仙、南島原の各党市議らは、金子原二郎長県知事に、養殖アサリの大量死に関する要望書を提出しました。

 その要望書の全文を紹介します。
 

  *写真は長崎文化放送の昼のニュースより。


長崎県知事 金子原二郎 様  

養殖アサリの大量死被害に関する要望書

                         2007年9月4日
                    日本共産党長崎県会議員 堀江ひとみ
                    日本共産党諫早市会議員 木村 和俊
                    日本共産党諫早市会議員 中野 太陽
                    日本共産党雲仙市会議員 上田 篤
                    日本共産党島原市会議員 島田 一徳
                   日本共産党南島原市会議員 桑原 幸治
           日本共産党九州沖縄ブロック国政対策委員長 田村 貴昭

 諫早市小長井町沖の諫早湾で、養殖のアサリの死滅が広範囲で起こっています。赤潮による酸素不足が原因と見られていますが、漁民、地域住民からは「調整池からの排水に原因がある」との指摘も相次いでいます。
 被害は、諫早湾干拓の潮受け堤防の排水門に最も近い養殖場ほど甚大であり、被害調査では金崎地区、長里地区ではへい死率が100%で全滅です。その他の養殖場でも、被害が日を追って拡大しています。
 通常の赤潮では影響を受けないアナジャコやキス、ヒラメなどの魚も死滅しているとのことです。従って今回の被害は、赤潮による酸素不足だけに解消できない問題だと考えます。
 漁民にとっては、収入の道が途絶えた上に、「稚貝を入れてもまた死滅するのでは」と、今後の生計も立てられない状況にあります。多額の債務を抱えた漁民も多く、被害の原因究明とあわせて、漁業関係者への営業と生活支援は重要な県政課題です。
 よって緊急に、次の事項について要望いたします。
 尚、同様の要望を8月31日、農林水産省九州農政局へ要望したことを申し添えます。

                    記

◆諫早湾干拓調整池の北部排水門から、8月25日に予定の3倍もの排水をした理由を、明らかにしていただきたい。

◆アサリ業をはじめ、漁業被害について掌握すること。

◆早急に相談窓口をつくり、漁民・関係者からの意見・要望を聞くこと。

◆漁業被害補償制度をつくること。借入金の返済猶予など、漁民の生活支援にできうる限りの対策を講じること。

◆調整池からの排水をただちに中止すること。調整池の水質改善を早急にすすめること。

◆諫早湾干拓事業と漁業被害の因果関係を究明すること。中・長期の開門調査をおこなうこと。