2007年8月31日、熊本市にある九州地方環境事務所に、県央県南クリーンセンターについて申し入れました。その全文を紹介します。
環境大臣 鴨下 一郎 様


                  2007年8月31日
                  日本共産党長崎県会議員  堀江ひとみ  
                  日本共産党諫早市会議員  木村 和俊
                  日本共産党諫早市会議員  中野 太陽
                  日本共産党雲仙市会議員  上田 篤
                  日本共産党島原市会議員  島田 一徳
                  日本共産党南島原市会議員 桑原 幸治  

   県央県南クリーンセンターの
    現地調査についての申し入れ
             


 県央県南クリーンセンター(長崎県諫早市福田町1250番地)は、長崎県の諫早市、雲仙市、島原市、南島原市の4市で構成する県央県南広域環境組合が設置し運営しているゴミ処理施設です。05年4月に本格稼動が始まってから2年4ヶ月が経ちますが、この間多くのトラブルや問題が起きています。その主なものはつぎのとおりです。

1、 05年7月、収集したゴミを処理できず長崎市の処理工場に委託。

2、 予定を大幅に超える天然ガス(助然材)の使用。10トンタンクローリーで毎日2台〜3台

3、 「必要な液体酸素は施設の酸素製造設備で製造するので、外部からの搬入はしない」とされていました。が大量の液体酸素を搬入している。

4、 つぎつぎに追加施設を建設しないとゴミ処理に対応できていないこと。その主なものは、シリカの除去施設・水処理系統を1系統追加・液体酸素の貯蔵タンク建設・予備炉の建設などである。

5、 施設の周辺地域への悪臭。

6、 「副産物はすべて有用な資源です」とされていましたが、水酸化物の販売収入40万円に対する処理委託費用は1700万円。

7、 高い処理費用。(ゴミ1トンあたりの処理費用)
   クリーンセンター     24,879円
   (旧)諫早市環境センター 16,224円
   長崎東工場       12,831円

 2006年7月19日に環境省へ「国の補助で建設されたゴミ処理施設に欠陥の疑いがあるので調査・検証していただきたい」との要望をしました。

 この交渉の席では、廃棄物リサイクル対策部廃棄物対策課葛西課長補佐より、「県からの報告と違うので、もう一度、県に確認・調査をしたい。計画どおり稼働せず追加投資もあったということなので、設計の瑕疵の有無などについて最大限調査してみたい。熊本県にある環境省地方事務所から直接調査に行くように協議する」との回答を受けたました。

 しかし、いっこうに進展していません。その後クリーンセンターのゴミ処理状況は悪化する一方で、処理不能になったごみは駐車場などに野積され、その量はフレコンパック・2400個にのぼっています。そして、ついに今年7月から来年3月まで、3炉とも本格的な修理をしなければ対応できない状況になっているとのことです。

 この施設の建設費147億円の約半分は国の補助金です。こうした補助事業で建設されている施設であるにもかかわらず、初期の性能が発揮されず、わずか2年4ヶ月で大規模な修理をよぎなくされる事態は異常です。補助金を出している国としても、現地を訪れ、関係住民からの聞き取りを含めキチンと調査をしていただきますよう再度要請します。