イラク情勢がいよいよ緊迫しています。北朝鮮も、同国の「瀬戸際外交」に加えて米韓合同演習の開始で軍事的緊張が強まっています。長崎県佐世保の米海軍と海上自衛隊基地ではきな臭い動きが目立っており、その動きを日本共産党北部地区の山下千秋氏(佐世保市議候補)のレポートで紹介します。

  米海軍の強襲揚陸艦エセックスは一月十六日に佐世保を出港し、沖縄海兵隊を搭乗させ特殊作戦の訓練から二月四日に帰港したばかり。二月二十五日には揚陸艦フォトマクヘンリーを引き連れて再び出港、フィリピンの「テロ掃討作戦」に向かいました。
 揚陸艦ハーパーズフェリーも三日に出港して沖縄に向かいました。沖縄海兵隊とともに米韓合同軍事演習に参加すると見られています。
 艦船への洋上給油をおこなう給油艦の入出港もひんぱんになっていましたが、三日には再び給油艦ラパーノックが入港しました。基地関係者の話では、今後さらに弾薬補給艦キラウエアも入港して、「イラク攻撃にむけて弾薬の運び出す」とのことです。
 すでにインド洋に二度も派遣され、のべ三百日間にわたって米英艦船への補給活動を行った海上自衛隊の補給艦「はまな」は、三菱重工下関造船所での修理を終えて二月二十四日に佐世保に帰港、次の出港に備えています。三月中旬には、イージス艦「こんごう」がイラク攻撃支援のためにインド洋に派遣されるとみられており、体制を整えつつあります。
 北朝鮮をにらんだ米軍と自衛隊の動きも緊張したものになっています。二月には、核攻撃能力を持つ攻撃型原子力潜水艦ホノルルが二度にわたって入出港を繰り返し、この四日にも原子力潜水艦シカゴが入港しました。一昨年の同時多発テロ以降、入出港情報の事前公表が中止されてからの原潜入港はすでに二十六回にのぼります。
 沖縄の嘉手納基地には核実験の監視などで投入される偵察機や、爆撃機に司令できる指揮通信機などが配備され、早くも北朝鮮ミグ機による「軍事的衝突の危機」がおこりました。これに呼応して佐世保には、ミサイル追尾艦インビンシブルが再び寄港しました。
 日本政府は北朝鮮情勢に対応して警戒監視体制を強化する方針を明らかにし、早速イージス艦「みょうこう」を使った訓練を、広島の呉海上自衛隊「特別警備部隊」とともに実施しました。
   
 日本共産党や佐世保原水協などの民主団体は、「イラク攻撃反対」の街頭宣伝を連日おこない、「アメリカのやり方はひどい。これに従うだけの小泉首相は許せない」「戦争で犠牲になるのは子どもたち」など、戦争反対の強い声が寄せられています。
北朝鮮問題で緊迫する佐世保基地
佐世保市議候補山下千秋さんのレポート