県議会自らが真相を究明し、再発防止対策を

日本共産党長崎県委員会が県議会議長に申し入れ
 2月25日、日本共産党長崎県委員会の山下満昭書記長と中田晋介、西村きえ子の両県議は県議会の議長室を訪れ、
一連の献金問題について池原泉議長に申し入れました。
 山下書記長らは、「一連の事件で、県民の怒りは大きい。ところが起訴された当事者が、自分の子どもや妻を代わりの候補者にたてるなど、県議会は本当に反省しているのかという声が強い。この際、百条調査委員会を設置して、自ら真相を解明し、受注企業からの献金禁止に踏み出すよう、議長がイニシアを」と訴えました。
 対応した池原議長は、「議長として強い態度でこの問題にのぞみたい。提起については十分検討させてもらう」と答えました。
  *申し入れの全文は以下の通りです。

長崎県から金権腐敗政治を一掃するための申し入れ
 
 今日、長崎県民は失業、倒産、社会保障の改悪などのなかで、きびしい生活と営業を余儀なくされています。一方で、知事選挙での違法献金をはじめとする長崎県における異常な「政治とカネ」、金権腐敗に、県民はあきれ、怒っています。
 浅田五郎前県議・自民党県連幹事長が、昨年の知事選挙で、公共事業受注企業から違法に献金をあつめた容疑で逮捕されました。金子原二郎知事も知事選挙に関わって自らの対馬後援会の違法献金疑惑も指摘されています。野口健司県議が違法なパーティー券斡旋をしたとしての起訴(辞職)につづいて、加藤寛治前県議会議長がパーティー券(三千万円分)をヤミに販売した問題で起訴(失職に)され、関連して十数名の県議が検察の事情聴取をうけています。
 また、久間章生衆院議員の政治資金への疑惑、長崎市公共事業の入札妨害、あっせん収賄での五人の市議(自民四、民主一)の逮捕・辞職、幹部職員、関係業者の逮捕なども相次いでいます。
 公共事業の財源は国民の税金です。公共事業を請け負った企業が、知事や自民党に献金をすれば、国民の税金が受注企業を経由して、知事や自民党に環流されていることになります。また、企業からカネをもらえば、政治が企業の利益のためにゆがめられます。自民党は知事選挙で企業から一億円近くを集めています。知事は諫早湾干拓事業の受注業者から五年間に三十三社から二二三七万円、自民党県連は工事着工以来五〇社から七億一三〇〇万円を集めています。「受注の沙汰もカネ次第」やムダな公共事業・諫早湾干拓事業などがとまらない理由にもなっています。
 国民の税金のピンハネである公共事業受注企業からの献金が、自民党県連や支部を通じて、県下の県議、市議、町議にばらまかれ、選挙費用とともに、議員や党役員による料亭やバーでの飲み食い代(自民県連は三年間で三〇〇〇万円)になっています。
 こうした公共事業・税金を食い物にする政治家と役人、業者の癒着は絶対に許されません。

 一連の金権腐敗には、公共事業を背景にした県議や県幹部職員が関わってり、県議会の責任は重大です。しかし、県議会の対応は、権限も実効もない政治倫理審査会を開くだけで、何ら真相を明らかにできないばかりか、真相の究明をはかろうとするるわが党県議の討論を封殺する暴挙さえおこないました。
 日本共産党長崎県委員会は、「真相解明がうやむやに終わることのないよう、強い意志でのぞみたい。県民の納得する形をとらねばならない」(長崎新聞)との議長表明にふさわしく、県議会が金権腐敗の真相の究明と、その一掃のために責任を果たすことを強く要望するものです。
 わが党は、金権腐敗政治一掃のために、企業・団体献金の禁止、形を変えた企業献金である企業によるパーティー券購入や党費の立て替えの禁止、自治体幹部職員の公共事業受注企業への天下り禁止を主張しています。

 こうした立場をとりつつも、当面以下の点でのとりくみを県議会に要望するものです。
一、知事選挙や県議に関わる違法献金問題などの百条調査委員会を設置して真相究明と防止策をとること。
二、公共事業受注企業への献金の要請、およびその受け取りをしないことを三月県議会で決議すること。
三、「政治とカネ」に関わる不祥事の再発防止のために、条例制定を含めて抜本的な対策をとること。
四、議会での討論の保障をはじめ、県議会の民主的運営をつらぬくこと。
二〇〇三年二月二十五日
                   日本共産党長崎県委員会
                     委員長 深町 孝郎
 県議会議長
 池原 泉 様