在韓米軍の福江でのヘリ訓練反対を申し入れ
米軍は当日になって中止を発表
 日本共産党県委員会は28日、金子知事に対して「在韓米軍ヘリの福江空港での低空飛行訓練反対」の申し入れを行いました。
 原田睦男党県副委員長と西村貴恵子県議は、対応した松田元生県総務部理事らに、「知事も反対を表明し訓練回避の努力はしているが、引きつづき全力をあげてほしい」と要請しました。
 これに対して県側は「最後まで訓練回避に努力する」とこたえました。
 なお、これに先立ち党五島群委員会と同議員団は福江市に対して、同様の申し入れを行いました。
 福江市では訓練が強行されれば、日本共産党と地区労らが共同で100名規模の抗議集会をする予定でしたが、29日の午前に、訓練の中止が明らかになりました。
 在韓米軍ヘリの低飛行訓練反対の申し入れ

 新聞報道によりますと、米軍は二十九日、福江空港を使って低飛行訓練を行うとのことです。しかも時間は午後六時三十分から七時三十分にかけてということになっています。
連絡を受けた長崎県は、すでにもっと詳細な訓練計画を要求すると同時に、同訓練回避を外務省に要請したとのことです。金子知事は「定期航路もある。緊急医療用の重要な空港である。住民も納得しないし、住民の安全平穏な生活を守る観点からも到底認められない」という趣旨のことも言明されています。私たちは県民の立場に立った金子知事の行動を強く支持します。そして訓練中止のためには最大限の協力と努力をするつもりです。
 私たち今回の米軍の計画は以下のような重大な問題をもっていると考えています。
 第一に民間空港を使っての軍事訓練ということです。長崎県内でははじめて、全国的にも全く異例なことです。
 第二には米軍が直接空港管理者(長崎県知事)に連絡してきたことです。地位協定の運用から見ても異例です。なぜ政府外務省の頭越しに直接県知事に連絡があったのでしょうか。しかも、在日米軍ではなく、在韓米軍の運用に関わるものです。日米地位協定のどこに根拠付けがなされるのでしょうか。
 第三に、アメリカがうちだした「四年後ごとの国防見直し」(QDR)にそったものになりつつあることです。つまり、「アメリカが必要と思えば相手国が同意しなくても米軍は基地をそこに設置する」という方針にそったものではないかという疑義です。
 第四に、住民の安全を極度に脅かすという問題です。MH―47という大型ヘリは、暗闇でも離発着できる暗視装置も備えるなどの、海兵隊の特殊作戦用のヘリコプターです。すでにアフガン報復戦争でも実戦に投入され、沖縄では墜落事故を引き起こしているヘリコプターでもあります。
 今回は3機で、訓練時間も約一時間というきわめて限定的で小規模な訓練ではありますが、内容からいえば「民間空港を使用しての軍事訓練」というもので日米軍事同盟を新たな段階にひきあげる突破口になるものです。新ガイドラインで地方自治体に軍事協力も求めることを可能にしました。さらにその協力を強制させる有事法制が今度の国会で成立させようとしていますが、その先取りそのものといわなくてはなりません。
 国連憲章にも反し、国際世論にも耳を傾けようとせず、アメリカはイラク攻撃を強行しようとしています。イラクだけでなく、北朝鮮もまた「悪の枢軸」国とみなしています。こうした緊迫した情勢になったら、福江空港が米軍の重要な基地として使用される危険性を示すものだけに、こうした具体的なあらわれを私たちは絶対に見逃すことはできません。
 以上をふまえ、次のことを要請します。
      
一、詳細な訓練計画を入手し、その全容を県民に公開すること。
二、 計画撤回のために引きつづき全力を尽くすこと。


   二〇〇二年十月二十八日
                            日本共産党長崎県委員会                             委員長 深町 孝郎
 長崎県知事 金子原二郎 様
申し入れの全文は下に