香焼町の「考える会」が、「町の将来は住民投票で」と活動強める 

   条例制定の直接請求を行うのは「香焼町合併問題を考える会」(代表、菅政和医師)。昨年十月、長崎市との合併に賛成の人も反対の人も、「合併が町民生活にどう影響するかを共に考えよう」と結成されました。
 発端は、同町の徳永繁富町長が、「合併は住民の選択が基本、私は町の存続を図る」(昨年三月議会)としていた、それまでの公約をひるがえしたことです。

 「小泉首相になって情勢が変った」「合併はやむをえない」と、突然の態度ひょう変に町民の間からは、「合併をさけるためといって強行した老人医療助成廃止や国保税引き上げなどの痛みは何だったのか」と批判の声が相次ぎました。

 「考える会」の結成で菅代表は、「合併の影響について町民は知らされておらず、公正な判断ができない」と語り、合併の是非は町民の選択であるとして運動の拡大を呼びかけました。

 町の広報は合併推進の宣伝だけ。「考える会」は合併の影響を独自に調査しその結果を三回にわたって町民に報告しました。「独自につくりあげてきた優れた教育・福祉制度をすべて失う」「町内の商工業者に優先して行われてきた(年間八千五百万円)工事発注がなくなり、町の経済に重大な影響」「香焼町の財源が長崎市に
吸い上げられる。今でも長崎市周辺部は住民サービスで取り残されている」と、問題点を具体的に明らかにしてきました。

 同会の代表委員の一人、日本共産党の岩橋宏町議は、「合併は、町の存亡にかかわる重大問題。わずか十四人の議員に白紙委任せず、有権者一人ひとりの投票で決めるべき。これが町民の声ですよ」といいます。

 任意合併協議会は各町に、九月議会での法定協移行議決を求めており、一気に合併へのレールを敷く構えです。香焼町では七月に町議選が行われます。合併問題は大きな争点の一つです。

 条例制定を求める署名は六月十日まで。「考える会」では、千人を目標に署名に取り組んで議会での条例議決を勝ち取り、住民投票実現に全力をあげます。

 日本共産党・津村国弘町議の話
 香焼町は明治の大合併で旧深堀村(現長崎市深堀町)に編入され、九年後に分村を求める大運動では、私財を香焼の財政にあてる人も出て分村を実現しました。歴史の教訓も生かし、長崎市への
吸収合併は一部の人で軽々に決めるべきではありません。

 
写真は「住民投票条例」の署名をすすめる人を届け出る会の代表
香焼町
合併問題で住民投票条例求め署名
 長崎市と周辺十一町の任意合併協議会がつくられ合併の動きが強まるなか、同市南部にある西彼杵郡香焼(こうやぎ)町では、「町の存続にかかわる合併は、住民投票で」と十四日、地方自治法に基づく「住民投票条例制定」を求める署名が始まりました。町民を駆り立てているものは。(長崎県・田中康記者)