2001年1月23日
農林水産大臣 谷津 義男 殿   
         日本共産党   衆議院議員    小沢和秋
              同   福岡県委員会委員長 五島寿夫
              同   佐賀県委員会委員長 平林 正勝
              同   長崎県委員会委員長 深町 孝郎
              同   熊本県委員会委員長 久保山啓介
 
          有明海ノリ凶作に対する緊急申し入れ   

 有明梅では昨年12月からプランクトンが異常繁殖し、沿岸4県の養殖ノリが記録的な不作となっており、ノリ網は一部漁場を残して撤去せざるをえなくなっている。
 我々は1月18日、佐賀県沖合のノリ漁場まで出船し、被害の状況を調査した。黄土色に「色落ち」したノリを目の当たりにし、水揚げしても商品価値のないものになっている実態を確認してきた。その後、佐賀県・福岡県・熊本県のノリ漁業者らから直接聞き取りを行い、被害が予想以上に切実で深刻なものとなっており、抜本的かつ早急な対策が迫られていることが改めて明らかになった。
 このままでは収入の途を絶たれているノリ漁業者の生活への打撃はもとより、有明海沿岸地域の関連する経済・産業に与える影響は計り知れないものがある。諌早湾干拓潮受け堤防が1997年4月に閉め切られた後、潮流の向きと速度、潮位の大きな変化など有明海には異変が起こっている。これは常に海に出ている漁業者が直接肌で感じているところである。潮受け堤防閉め切り後、タイラギ・アゲマキ・アサリをはじめとした有明海を代表する数多くの水産物の水揚げが激減している。加えて今回の歴史的なノリ凶作を考えれば、沿岸漁業者が指摘するとおり、潮受け堤防閉め切りによって生じた一連の異変がその被害の原因ではないかと推定するのは当然である。
 このままでは有明海の水質が改善される保証はなく、漁業者は今後の展望を見失っている。今こそ政府は、原因を早期に究明し漁業者の生活を守る措置を講じなければならない。
 よって、以下のことについて緊急に申し入れる。

1.ノリ凶作の原因となっているプランクトンの異常発生の原  因をすみやかに明らかにすること。       
2.諌早湾干拓事業をすみやかに中止し、干潟の再生を図る 措置をとること。
3.収入を絶たれた漁業者に対し、緊急に就労の場を確保す ること。
4.所得が減少した漁業者に対し、無利子・無担保融資を行う こと。また、すでに融資を受 けている漁業者に対しては償 還猶予・利子補給を行うこと。
5.水産資源回復・増大のための事業を実施すること。
6.有明海に関する調査研究機関を設置し、環境変化に機動 的に対応可能な体制を整えること。
小沢衆議院議員と四県県委員長の有明海ノリ凶作に対する緊急申し入れ