2011年 6月県議会 一般質問 (7月1日)

日本共産党の堀江ひとみです。

 通告に基づき、一問一答方式で質問いたします。

 1、エネルギー政策に対する知事の政治姿勢について


 (1) 福島第一原発事故に対する見解。

 福島第一原発事故は、いまだ終息のめどが立たず、いつになったら自宅に帰れるのか、農業ができるのか、事業を再開できるかなど、先が全く見えない状態に置かれています。

 東日本大震災の地震、津波は天災ですが、原発事故は人災と私は思います。原発は安全だと、いわゆる「安全神話」にどっぷりとつかり、警告を無視して安全対策を怠ってきた東京電力と歴代政府によってもたらされた人災です。

 私は、中村知事が福島第一原発事故を人災ととらえ、安全神話を一掃しなければ、玄海原発の安全対策、ひいては長崎県民の安全対策は確保されないと指摘します。福島第一原発事故に対する知事の見解を求めます。

◎知事(中村法道君) 

 堀江議員のご質問にお答えをいたします。

 福島第一原子力発電所における事故は人災か、天災かというお尋ねでございますけれども、今回の原子力発電所の事故が地震や津波といった天災によって引き起こされたものであるということは間違いないのではないかと考えております。
 ただ、想定していた地震や津波の規模、あるいは原子炉の安全基準等が当然満たすべき水準に達していなかったといったようなことが確認されるような場合には、人災と言える側面があるのかもしれないと考えております。

 しかしながら、客観的な事故の検証が行われていない今の段階ではなかなかに判断は難しく、天災か人災かについて今申し上げることはできないという状況にございます。

 この後のご質問については、自席の方からお答えをさせていただきます。

◆11番(堀江ひとみ君) 

 「人災と言える側面があるかもしれないけれども、今の段階はまだ事故の検証がされていない」という答弁だったんですが、福島県南相馬市の桜井市長は、29日、東京都内で開かれた「震災と原発被害について」の討論会で、「福島第一原発の事故によって、市民の心も市の経済もずたずたになった」と語り、「原発は廃炉に向かうしかない」と強調しました。福島県の佐藤知事は、県議会本会議で、「いまだ終息の兆しが見えない極めて厳しい状況が続き、原発の安全神話は根底から覆された」として、はじめて「原発ゼロ」の姿勢を明らかにしました。そこには、原発は安全と考えるか、原発はリスクを伴うと考えるかが根底にあります。

 知事は、原発はリスクを伴うとの見解はお持ちでしょうか。

◎知事(中村法道君) 

 それはさまざまな原子力をコントロールする技術水準の問題でもあろうかと思いますが、現状において、全くリスクが伴わないというようには考えておりません。

◆11番(堀江ひとみ君) 

 「リスクは伴わないとは考えていない」という答弁でした。
 
 (2) 原発から撤退し、自然エネルギー転換への見解。

 私は、原発に対する姿勢があいまいでは、自然エネルギーへの対応も本格的にならないというふうに思っているんです。

 福島第一原発事故は、原発で一たん事故が起これば、地域に壊滅的打撃が及ぶことは火を見るよりも明らかになりました。原発は、安全であるという神話は、もはや通用しません。今後の日本のエネルギー政策は、原発依存を続けるのか、それとも再生可能エネルギーかをいや応なく問われることになります。

 私ども日本共産党は、5年〜10年以内を目標に原発から撤退するプログラムを政府が策定することを提案しています。

 日本の総発電量に占める原子力発電の割合は25%、例えば5年〜10年の間に電力消費量を10%程度削減する。そして、現在の総発電量の9%程度の自然エネルギーによる電力を2.5倍程度に引き上げることができるなら、原発による発電量をカバーすることができます。

 現時点で日本にある54基の原発のうち稼働しているのは3分の1に過ぎません。夏場の電力消費のピーク時への対応などが必要ですけれども、原発からの撤退は無理な課題ではありません。撤退という決断をしてこそ、自然エネルギーの開発・普及と低エネルギー社会に向けた本格的な取組を進めることができると考えます。

 そこで、知事に質問します。

 原発から撤退し、エネルギーへ転換することについて知事の見解を求めます。


◎知事(中村法道君) 

 現在の我が国におけるエネルギー供給量の中の電力・電気にしますと約3割、先ほど25%とおっしゃいましたけれども、相当割合を、この原子力発電所に依存している現状があるわけでありまして、確かに消費量を10%削減する、そしてまた、再生可能エネルギーの割合をさらに高めていくと、そういうことで克服できるのではなかろうかというお話でもありますけれども、これからそうした再生可能エネルギーの開発等に取り組むにしても、相当時間を要する問題でもありますし、また、コスト面での課題も解決する必要があるのではないかと考えております。

 今、現状において直ちに「脱原発」ができるかというと、それはなかなかに難しい状況にあるものと考えております。したがって、一旦今回の福島第一原子力発電所の事故を十分に検証し、そういった中で安全確保対策が十分にできるのかどうか、そういった点について検証の上、方向性を見定めていくべきではなかろうかと考えております。

 なお、この再生可能エネルギーの活用については、これからの環境共生時代の中で積極的に取り組んでいくべき課題であると考えております。


◆11番(堀江ひとみ君)
 

 再生可能エネルギーについては、これから取り組んでいくというその立場は確認しましたけれど、問題はそうした点をさらに本格的に進めるために、私は撤退という決断が必要だというふうな立場です。

 この福島第一原発事故を教訓に、イタリア、ドイツ、スイスは原発撤退の方向に大きく動き出しました。こういう撤退という決断をしてこそ、自然エネルギーへの本格的な取組を進めることができるということを指摘して、次の質問に移りたいと思います。

 (3) 鷹島町住民説明会を、政府に要請することへの見解。

 佐賀県玄海原発より半径8キロ〜15キロ圏内に位置する松浦市鷹島町住民説明会を政府に要請することについて、知事の見解を求めると通告をしておりました。

 午前中の質疑の中で、中村知事が「県としても説明会を要請したい」と答弁をいたしました。私はぜひ実行していただきたいと思いますが、しかし、鷹島の皆さんの不安は県民全体の不安でもあります。

 そこで、質問ですけれども、古川佐賀県知事への要請です。長崎、佐賀、福岡の3県で連携しながら地域防災計画の見直し等を検討しているのであれば、当然玄海原発の運転再開問題についても連携をすべきです。佐賀県知事に対し長崎、福岡両県の意見もしっかり聞いて判断するよう要請すべきだと私は思いますが、知事の見解を求めます。


◎知事(中村法道君) 

 今の原子力発電所の現状を考えます時に、県民の皆様方の中にやはり大きな不安を感じておられる方々がいらっしゃるわけでありますので、国、あるいは九州電力におかれてもしっかりした情報提供、そしてまた、再開に当たって住民の方々に十分安心していただけるような説明を行っていただく必要があるものと考えております。連携を図った上で佐賀県にご説明いただくだけで十分だとは、今のところ考えておりません。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 国からの説明を、例えば鷹島町の住民の皆さんがきちんと安全性の確認を説明してほしいと。そのことについては、知事としては「国に対して要請したい」というふうに答えました。

 私が言っているのは、鷹島の皆さんの不安な気持ちというのは鷹島の皆さんに限らず、これは長崎県民の思いなので、少なくとも佐賀県知事が独断で玄海原発の再開について判断をするということではなく、これまで本会議当初に知事が述べましたように、防災計画の見直し等も佐賀、長崎、福岡の3県でやっているのだから、玄海原発の再開についても古川知事の判断ではなく、中村知事や福岡の知事の話を十分聞いた上で判断するべきだと、そういうことを古川知事に要請していただきたいという私の質問です。知事の見解を求めます。


◎知事(中村法道君) 

 さきの本議会のご質疑の中でも話をさせていただきましたけれども、先般、宮内議長にもご同行をいただきまして、玄海原子力発電所の運転再開等にかかわる問題について、数点要請活動等を行ってきたところであります。
 その中では、こうした原子力発電所にかかわるいろいろな課題があって、これに対して地域住民の方々が不安に思っておられる現状にあるわけでありますので、やはり普段からしっかりとした情報共有ができる場、しっかりと地方の意見を申し上げる場というのをつくっていただきたいと国に要請をいたしております。これは、おそらくは各原子力発電所単位でできるのか、あるいはそれぞれの各県単位でできるのか、そのスキームはまだわかりませんけれども、そうした場を活用して、地域のお話はしっかりと政府並びに九州電力にもお伝えできるような仕組みをつくっていく必要があるものと考えているところであります。

◆11番(堀江ひとみ君) 

 今日の新聞、昨日の新聞、それから午前中の質問にあるように、佐賀県知事が自ら独断でといいますか、長崎や福岡の知事の意見を聞かずに、玄海原発の再開運転について発言をしようとしている、そういう状況に今あるわけでしょう。そういう時に中村知事として、立地県ではないけれども、8キロ〜10キロ、そして、この長崎市でも80キロになりますよ。県民の皆さんが不安を持っている時に、佐賀の古川知事だけの判断ではなくて、自分たちの声も聞いてほしいということを古川知事に要請することはできないんですか。これまで県政の重要な課題では時々申し上げてきているではありませんか。そのことを聞いているんです。答弁をしていないと私は思います。


◎知事(中村法道君) 

 その話は古川知事に申し上げるのではなくて、発電業者である九州電力、そして安全管理について責任を持つべき立場である国、こういった立場の方々に申し上げるべき課題ではなかろうかと考えております。もちろんさまざまな課題について、情報を共有しながら連携して取り組んでいくという体制も、また片方、地元地方公共団体として必要になってくるものと思っております。

 そういった意味では、既にお話をさせていただいておりますように、例えば地域防災計画等の見直し等については、共同で取り組んでいきましょうという話を差し上げているわけでありまして、古川知事が一定の考えを表明されたということについては、立地県としてのお考えを表明されたものだと理解をいたしております。

◆11番(堀江ひとみ君) 

 知事は県民の安全を守る立場にあるわけですから、佐賀県知事に対しても稼働するかどうかという判断をする、その直前といいますか、そういう状況の時に、では何もしないで見ているということですか、今のその態度は。


◎知事(中村法道君) 

 それは先ほども既にお答えをいたしましたように、再開の決定がなされる前にそういった場を設けていただきたいと、こういうつもりで「要請を行います」という考えを表明させていただきました。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 国に対して要望するということは理解をしております。

 これまで新幹線の問題だって、いろんなことで佐賀県知事に要望してきたじゃないですか。それと同じように今回の玄海原発の問題についても、県民の安全を守る立場から判断をするというか、その前に福岡や長崎の意見を聞くべきだということを要望してほしいと私は思っているんですよ。

 今、政府が「安全宣言」をして、停止中の全国の原発の再稼働を進めようとしていますけれども、事故の終息もできていない政府が「安全宣言」と言って、だれが信用できますか。しかも、知事だって、この間、私の原発に対する姿勢に対して、「福島第一原発の事故については、まだ検証ができていない」と言っているでしょう。検証ができていないんですよ。そして、終息だってまだされていない。それなのに「安全だ」って言われて安心しますか。知事は、そのことを信じるんですか。


◎知事(中村法道君) 

 先ほどから繰り返し申し上げておりますように、佐賀県知事は、立地県としての判断をなさるでしょう。佐賀県知事に対して長崎県が要望をするというような立場ではないと思うんです。直接的にやはり隣接県として、原子力発電所に対しては心配をされている県民の方がいらっしゃるわけですから、そういう立場で直接申し上げていくべき必要があると思うんです。そういうことでしっかりした意見を申し述べる場、そしてまた、直接長崎県民に対して説明をしていただく場を設ける必要があるのではないかと申し上げているところであります。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 福島第一原発の事故の終息もできていない中で、政府の「安全宣言」は、国民の安全を守る立場に立っていないというふうに思っています。県民は、これは納得しません。

 だから、そういう意味では、知事から「国に対し意見を申し述べる場をつくってほしいと要望する」という答弁はいただきました。

 私としては、県民の心情からも、佐賀県の古川知事に対しても、そういう場を設けていただくよう言っていただきたいというふうに思っております。

 次の質問に移ります。

 2、石木ダムの事業検証について


 関係自治体で検証の場を設置し、検討が行われ、長崎県公共事業評価監視委員会から事業継続を認める意見書が県に提出されました。こうした一連の動きに対し県民から、「事業ありきで進められた」と厳しい意見が私に寄せられました。「ダム事業の検討の場に有識者や住民は一切入れない。ダムをつくりたいと訴え続けてきた県や市など関係自治体だけの検証では、どんなに説明しても公平な検証はできていない」という意見です。怒りとも言えるこうした県民の声を、知事はどのように受け止めて、国に報告するというのか、知事の答弁を求めます。


◎知事(中村法道君) 

 石木ダムの検証作業につきましては、国が定める実施要領細目に基づきまして、関係地方公共団体からなる検討の場を設置いたしまして、複数の治水・利水対策の代替案を立案して、予断を持つことなく検討を進めてきたところであります。
 
 一連の検討過程の中で、広く県民の皆様方からご意見をお伺いするパブリックコメントも実施いたしましたし、関係住民、学識経験者等からの意見等もお伺いをしてきております。そしてまた、私自身地権者の皆様方とお話をさせていただく機会をいただきましたけれども、そうした機会でもさまざまなお話、ご提案等も頂戴したところであります。

 
 そうしたことも含めて、この検討の場で、もう一度検証をしていただくという考え方のもと、今日まで取り組んできたところでありまして、先ほどお答えをいたしましたように、公共事業評価監視委員会からの意見書も頂戴したところでありますので、この後、県議会の皆様方と十分ご相談をさせていただきながら、県としての方針を見定めてまいりたいと考えております。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 土木部長に質問しますが、この完成年度はどれくらいということで報告をする予定なんですか。

◎土木部長(村井禎美君) 

 石木ダムの問題につきましては、この石木ダムは、川棚川の抜本的な治水対策(発言する者あり)佐世保市の慢性的な水不足解消のために、喫緊の完成が課題となっている早期完成を求める施設でございます。
 
 一方で、石木ダムの建設のためには、地元の残る地権者の方々の一日も早い理解をいただくことが必要だと思っておりますので、今後とも、県、市町が一体となって地元の残る地権者の方々に誠心誠意対応していくということが重要であろうかと思っております。

 以上でございます。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 国に報告するんでしょう。完成年度を報告しなければいけないわけでしょう。入れないんですか、完成年度は。年度だけ入れるか、入れないか。入れるとしたらいつか、それだけ簡潔に答えてください。


◎土木部長(村井禎美君) 

 現在の事業計画の完成年度は、平成28年度となっております。

 以上です。

◆11番(堀江ひとみ君) 

 平成28年度、今から5年先ですよね。あと残された5年のうち反対地権者から用地を取得して、それから、ダム本体工事にかかるとして、これは完成になりませんよね。そういうことを報告するんですか。


◎土木部長(村井禎美君) 

 現在の完成年度は平成28年度でございますが、先ほど申し上げましたように、石木ダムの建設に当たっては、残る地権者の方々にご理解をいただくということが、まず先決であろうと考えているところでございます。まず、それに向けて、最大限力を傾注していくというところでございます。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 実態は、完成のめどはたちません。事業ありき、建設ありきの今回の石木ダムの事業検証だというふうに私は思います。

 東日本大震災を受けて復興財源が取りざたされておりますが、私は不要不急の事業を見直すべき、その県民の合意が得られていない石木ダムの建設は、この際中止をすべきということを指摘して、次の質問に移ります。

 3、住宅リフォーム助成制度の創設について

 住宅やマンションのリフォームなどに対し工事費の10%を助成する住宅リフォーム助成制度は、建設不況に苦しんできた大工さん、工務店に大歓迎され、さらに建材店、電気、水道等関連業種にも及び、内発型の経済、地域循環型の経済へ大きな効果となっています。

 まず、県下で、現在幾つの自治体で住宅リフォーム助成制度が実施をされているか、答弁を求めます。


◎土木部長(村井禎美君) 

 県内の市町における住宅リフォーム助成制度につきましては、平成21年度より行っている五島市に続きまして、平成22年度より長崎市をはじめ、現在6市で実施されております。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 全国だけでなく長崎県内で今回6市、現在実施をされているわけですが、それはなぜか。私は地域の経済効果が大きいからだというふうに思っております。各自治体の経済効果を把握しておりますか。

◎土木部長(村井禎美君) 

 住宅リフォームについて、議員ご指摘のとおり、多くの業種が関連していることから経済効果が期待できるものと考えているところでございます。

 一方で、県内の市町が行っている住宅リフォームの助成制度によりまして、助成の対象となる事業費以上の工事が行われているということは把握しております。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 長崎市建設住宅部の資料によれば、今年2月から600件を超えた申請があり、交付額は5,125万円、工事費総額は79,920万円で、経済効果はなんと15.6倍になっています。

 私は、住宅リフォーム助成制度を地域活性化、経済効果の観点で創設することを求めます。創設する考えはないか、知事の見解を求めます。


◎土木部長(村井禎美君) 

 議員ご指摘のとおり、住宅リフォームについては、経済的な波及効果が期待できるところではございますが、特に条件を定めずに行うリフォームに行政が助成を行うことについては、税金の使い途として議論があるのではないかと考えてございます。

 県でも、省エネ改修やバリアフリー改修など、施策目的が明確なリフォームにつきまして助成を行っております。

 今後も、施策目的のある住宅リフォームに取り組んでいきたいと考えておるところでございます。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 私は、この住宅リフォーム助成制度の質問ははじめてではございません。答弁は同じです。

 少なくとも前部長の時は、「検討、研究する」と言ったんですよ。これだけ経済効果が期待できるというのは、これまでの答弁の状況の中で、この部分について県がどう認識しようと県下で増えていることは事実です。実際に答弁としても「経済効果は期待できる」と言いましたので、少なくとも研究、検討してください。できますか。


◎土木部長(村井禎美君) 

 住宅リフォームにつきまして、特に条件を定めず行うリフォームに行政が助成を行うことについては、税金の使い途として議論があるのではないかと思っております。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 土木部長、私は研究、検討しないのかと質問しているんですよ、(発言する者あり)同じ答弁を繰り返してどうするんですか。(発言する者あり)研究、検討してくださいよ。しかも、これだけ「経済効果がある」と言っているわけでしょう。目的別にするという状況じゃなくて、もうやらないということだったら、これはいつまでたっても、その答弁ですよ。研究、検討してください。再度答弁を求めます。


◎知事(中村法道君) 

 住宅リフォームに対する助成制度については、これまでもたびたびご議論をいただいてきたところであります。その際、各県の状況等についても繰り返しご説明をさせていただきましたように、いわゆる一般的な住宅リフォームに対する支援措置を講じておりますのは1県だけでございまして、そのほかの県はすべて特定の施策目的を持った、例えばバリアフリー化でありますとか、耐震化とか、省エネ改修とか、そういった目的を持った事業に対して支援措置を講じてきているわけであります。

 確かに、すべてのリフォーム事業に対して支援を行うことで誘発効果があって、経済的な効果はあるものと考えておりますけれども、支援措置を講じるという場合に、個人資産にかかわる助成制度であるということはやっぱり考慮すべき大きな項目であろうと考えているところであります。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 「個人資産である住宅の一般的なリフォームに助成することについては、税金の使い方としてさまざまな議論があります」と。これは、住宅リフォーム助成制度に対して常に知事が答弁をしてきたことです。そうであっても、なぜこんなに広がるのか。そうであっても、自ら「長崎県の経済効果が期待できる」と言わなければいけないのか。それぐらい雇用の問題、働き口の問題、地域活性化の問題は大きな問題なんですよ。だから、少なくとも検討するべきではありませんか。(発言する者あり)検討してくださいよ。そういう答弁はできないんですか。答弁を求めます。


◎知事(中村法道君) 

 おそらくさきの土木部長が「検討させていただきます」とお答えをして、検討を進めてきたものと思っております。そういった中で、先ほどお答えを申し上げたような考え方として、整理がなされたものと理解をいたしているところでございます。

 確かに、「経済波及効果はある」と言いますけれども、そういった面では小規模改修事業等の予算額も確保し、これについてはやっぱり行政の優先順位の高いような事業を中心に事業を行っている実態がありますので、そういった点についても、ご理解をいただければと考えております。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 住宅リフォーム助成制度の問題は、次の機会に、また質問したいと思います。

 4、船上における地デジ受信について

 開会中の五島市議会に、奈留町漁協組合、五島市商工会などから、以下のような陳情書が提出されています。

 「漁業者は、船の上で気象情報を得ていますが、ラジオはエンジン音で聞き取りにくいことや職業柄ベテランの漁師ほど難聴となってしまうことから、視覚的な情報が最もわかりやすいという理由でテレビが普及している。現在、地上デジタル放送サテライト局の設置が予定されていないため、アナログ放送が廃止された後は、船の上での気象情報を得ることができない。情報不足による事故の多発等が危惧されるので、地上デジタル放送サテライト局を設置するよう、国及び関係機関に要請してほしい」となっています。

 私は、この立場で長崎県が国に対し要望していただきたいと思いますが、見解を求めます。

◎総務部長(池松誠二君) 

 奈留地区におきましては、五島市が国庫補助を受けてケーブルテレビ網の整備を行い、地上デジタル放送の難視聴の解消が図られてきたところであります。

 ご指摘の船上でのテレビ視聴につきましては、サービスを提供すべき範囲に海上は含まれていないというのが、国及び放送事業者の見解であります。

 したがいまして、仮に中継局を設置するとしても国の補助制度がないのが現状でありまして、地元自治体を含めて費用負担が大きくなることが課題となります。

 しかしながら、漁業者の方々の安全な操業に必要な気象情報等の入手手段についてのことでございますので、既に開設されている漁業用海岸局からの漁業無線の利用なども含め、まずは関係部局とともに五島市及び地元漁業者の事情や、お考えをよく聞いた上で対応していきたいというふうに考えております。


◆11番(堀江ひとみ君) 

 少なくともどうやったら気象情報が船の上で聞けるのか、見られるのかという現場の声をぜひ聞いていただいて、対応していただきたいということを強く申し上げて、私の質問を終わります。