2011年6月議会 「石木ダム建設推進に関する決議」に対する反対討論(7月19日
 日本共産党の堀江ひとみです。

 ただいま議題となりました 石木ダム建設推進に関する決議 につきましては、以下の理由で反対いたします。

 
石木ダムの事業検証については、「事業ありきですすめられた」と、きびしい県民の声が寄せられています。


1、佐世保市水不足解消のための、開発水量1日4万トンについて


 いま佐世保市が提供できる水の、提供能力は、安定水源の7万7,000トン、さらに不安定水源と呼んでいますが、毎日平均1万5,000トン取水しています。つまり、9万2,000トン、提供できる能力があります。

  一方、それでは佐世保市民は幾ら使っているのかと言えば、1万トン近い漏水も入れて

 7万4,000トンしか使っていません。提供する能力は9万2,000トンある、しかし、使用しているすべての水量は7万4,000トンで足りるとすれば、おつりが来るではありませんか。それに加えて、新たに1日4万トンの石木ダムが、どうして必要なのですか。

 合わせると、13万トンということになります。これは人口の約2倍ある長崎市が毎日使用している水量です。人口は長崎市の半分しかないのに、使う水の量は長崎市と同じぐらいの、水需要を求めるということ自体、いかに過大な需要設定であるか。一目瞭然です。これが検証の一つとして、いま問われています。


2、ダムの実現性について。


 土地所有者との関係です。検討の場が出した結論というのは、8割の方が契約完了している。残された2割の方の理解が必要だとしています。到達と課題の当たり前の話です。

 問題は、残された2割の反対土地所有者との関係において、協力を得られる見通しがあるのかどうかということです。とても見通しはありません。

 事業に反対している方々は、「豊かな自然があり、素直な子どもたちがいて、地域がまとまったこの土地を、子々孫々に残したいだけだ」と言います。「生まれ育ったここで農業を続けたい」、「ここに住み続けたいだけなんだ」という、憲法で保障された住民の権利は、だれであっても、踏みにじることは許されません。

 決議にあるように、「誠心誠意対応」を求めるなら、住民のささやかな願いを受け入れるべきです。 

 ダム建設ありきの事業検証は、公平な検証ではありません。ムダをなくすという本来の検証をすべきです。必要のない石木ダム建設を、直ちに中止することを求め、討論といたします。