2011年2月県議会文教厚生委委員会
障がいのある子どもの放課後のあり方について3/10
【堀江議員】
 もう一つ、障害のある子どもたちにかかわって、今、長崎市内で取り沙汰されていることに、障害のある子どもがいる家庭で両親が共働きをしている場合に、子どもが放課後に、すぐに家庭で過ごすことができない。どこに行くかということが非常に大きな問題になっています。事業的にはタイムケア型の日中一時支援事業というふうに言うんだそうですけれども、障害のある子どもたちを受け入れる施設が、長崎市の場合は、障害者自立支援法の施行で市町村事業に位置づけられたことによって、これまで事業所に対して長崎市が委託をして、利用回数が平成19年度が3,300回、平成20年度が7,830回、平成21年度が1万824回ということで非常に増えているというのが実態なんですね。
 
 障害を持っている子どもたちの両親が両方共に働く、あるいは就労支援をするという意味でも、このタイムケア事業の需要が非常に高いんですけれども、これが例えば長崎市でいうと、南部地域に一つもないんですね。市内で北部、南部というと、北部地域、あるいは中心部に集まっていて、南部地域に一つもないということで、障害を持った子どもがいるばっかりに、お母さんが、幼稚園の時にはまだ保育所があるからいいんだけれども、小学校に入るとなった時に行き場所がない。日中は特別支援学校に行っても、早めに帰ってきた時にお母さんが仕事をやめなきゃいけないという問題があるんですね。

 そういう時に、特別支援教育のあり方とは直接かかわらないんですが、障害を持っている子どもたちをトータル的に見た時に、学校に上がったものの受け入れ先がないという問題については、こうしたことも把握しておられるのか、あるいは目線として持っているのか。そのことも教えてください。

【古川特別支援教育室長】
 まことに申しわけないんですけれども、実態としては認識しているつもりでございます。ただ、これを我々の立場で事業として企画したりということは、ちょっと難しいことかなと思っております。実際、特別支援学校等でも共働きされている家庭というのは結構多うございまして、帰りにデイサービス、あるいは学童保育等を活用されながら実際に送り迎えしていただきながら、夕方5時か6時ぐらいに家庭に帰られるという子どもさん等が、このごろ、共働きの関係もあって増えてきていらっしゃるということは認識しております。

 ただ、先ほど言いましたように、管轄的に我々がこの事業について触れることができる事業ではございませんので、そこについてはご理解いただけばと思っております。

【堀江議員】
 確かにおっしゃるとおりですが、いずれにしても、障害を持っている子どもたちの教育、あるいはトータル的に見た時に、単なる学校の支援というだけでなく、学校が終わった後はどうするのか。あるいは特別支援学校は通学バスがあります。しかし、通学バスの範囲でないところに住んでいる子どもたちはどうするのかという問題があります。通学バスに乗れれば学校に行けるんだけれども、乗れなければ特別支援学校に行けません。

 こういう問題も含めて、私としては、確かに県教育委員会の部分ではないかもしれませんが、先ほどと同じように、関係機関と協議をした上で、障害を持っている子どもたちがどう長崎県で健やかに自分の能力を伸ばすという形での教育を受けられるかということで検討していただきたいということをこの機会に要望しておきたいと思います。