長崎県総合計画案への反対討論
  2010年12月20日 本会議       動画はこちら
          
 日本共産党の堀江ひとみです。
 ただいま議題となりました 第127号議案 長崎県総合計画について は、以下の理由で反対いたします。

 長崎県総合計画は、ひと言でいえば、地域活性化を長崎県でどうつくるか、だと思います。
 県民が、そこに住み続けられるかどうか。一人ひとりの県民が元気に暮らせるかどうか。結果として、県民の消費購買力をあげなくてはなりません。つまり、長崎県民だれもが、幸せになるための計画です。

 今から5年前、長期総合計画・後期5カ年計画の討論で、自由民主党は「時代の潮流に即した適切なものであり、必ずや県民に夢と元気を与えてくれるものと確信し、大いに期待する」と賛成しました。
 一方、日本共産党は、全国に先駆けた市町村合併の推進などを例にあげ、「計画通り実施されれば、県民の利益を大きく損なう」と反対しました。

 いま、県民のくらしの実態はどうか。
 日本共産党の県下各地の地方議員団は、それぞれ住民アンケートを実施しています。さまざまな、ご意見が寄せられています。
●仕事したくてもできない人がいっぱいいます。国保など税金を払いたくても払えない人が、いっぱいいいます。決して、裕福な贅沢な生活がしたいわけではないのです。せめて、借金もなく税金も払える普通の生活がしたいだけなのです。
●仕事がない。安い。それでも、一生懸命子どもたちを食べさせ、養っているのだから、そんな市民がギリギリでもやっていける、また医療も受け、贅沢言えば蓄えもできる、そんな政治であってほしい。
●農業、漁業に力を入れる。外から人を連れてくることばかりでなく、子どもが後を継げる環境に、するべきと思う。 等々。
 5年たった現実は、どちらの意見が正しかったか、明らかではないでしょうか。

■ひとつ、本総合計画は、県民の実態を、十分把握しているとはいいがたい。
政策企画課は、県内地域別の意見交換会や懇話会など、開催したと説明しました。そうした手順をふんだと言うことではなく、大事なことは、県民のくらしにどれだけ責任を感じているかということです。総合計画集中審議で私が、五島市奈留町の銀行支店撤退問題を取り上げましたが、地域振興部長は「よし」とする認識を、示しました。県民の実態を把握しているとは、思えません。

■二つ、どんな長崎県をつくるか、県民との共有が、感じられない。
 人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県は、当然のことであり、それだけに抽象的すぎます。例えば「親子三代が住み続けられる長崎県」として、そのための産業、雇用、教育、福祉をどうすすめるか、県民に訴え意見を聞くこと。知事の選挙戦コピーをそのままではなく、県民との協議に、もっと時間をかけるべきと思います。

■三つ、国に対する視点が見られない。政府が「地域主権」のもとにすすめているのは、地方向け補助金の「一括交付金化」と福祉分野を含めた、国の最低基準の緩和・撤廃です。
  政府の方向ですすめば、全国知事会でも懸念しているように、かっての三位一体改革の二の舞です。TPP問題も同じです。これらがすすめられれば、長崎県総合計画そのものが、根底からくずれます。

 私は、県民だれもが幸せになるためには、各事業のなかで、県民が反対している石木ダムや新幹線の推進などは、計画を見直し、県民が望んでいる少人数学級や国保税引き下げの取り組みなどは、すすめるべきと思います。

 いずれにしても本計画では、5年先、一部の特定企業や特定地域は潤っても、県民だれもがしあわせにとはならないと、指摘し、討論といたします。