2010年6月県議会
一般会計補正予算に対する反対討論 
6月25日
 日本共産党の堀江ひとみです。
 
 只今議題となりました、第55号議案 平成22年度長崎県一般会計補正予算(第1号)について。

 この予算には、高校授業料無償化に伴う私立学校への、県独自の授業料軽減補助金や、県内の厳しい雇用状況に対応する雇用支援の予算など、県民の願いに応えた予算が含まれています。こうした県民の願いに応えた予算は評価し、賛成です。

 しかし、大きく次の予算は、認められません。

 一つに、諫早湾干拓事業関連予算。15億283万1千円。

 国営諫早湾干拓事業に対する県負担金は、14億4823万4千円。予算特別委員会・総括質疑で明らかになりましたが、終了した干拓事業に現在、132億円の県負担金が残っています。今後11年かけて、償還することになっています。財政的にも干拓事業は、終わってはいないのです。

 さらに本予算には、緊急対策事業費として、県内各地で事業推進のための説明会が計画されています。 

 私が、納得できないのは、今回の補正予算で説明会を計画しているにもかかわらず、おとといまでに、当初予算の事務費をかき集めて、県内6箇所での説明会を、長崎県が開催したことです。説明会について知事は「干拓事業が、長年の県政の課題であり、理解をいただいていない。客観的に説明する。」と、答弁しました。

 しかし、実際の説明会は、県民からの質問や意見はその場で受け付けず、ただ一方的に、潮受け堤防開門絶対反対の長崎県の考えを、強調しただけではありませんか。同じような説明会を、補正予算の財源で、再度行うことは反対です。干拓事業には開門反対・賛成、いずれも県民の声ですから、一方にだけ余りにも偏った税金の使い方です。 

 知事。歴代の知事が推進しながら、いまだに県民の理解が得られない諫早湾干拓事業について、県民を二分するような対応ではなく、防災と漁業も農業も成り立つように、今こそ対応していただきますよう、強く要望いたします。

 二つに、総務費のなかの、対馬市との執務室共同化に伴う経費。4275万円。

 これまで私は、地方機関再編にかかわる条例については、県民サービスの低下を招くこと、労使合意がなされていないこと、道州制を見越していることを理由に反対してきました。

 今回の対馬市との執務室共同化についても、職員との合意がないまま予算計上がされています。 職員のアンケートを見れば、地方局再編は組織の機能強化になっていますか、との問いに、60パーセント以上が「非効率」と、回答しています。住民サービスについては、45パーセントが「逆行」と指摘、「変わらない」と合わせると70パーセントが、住民サービス向上に否定的です。

 職員からは「知事が替わって、廃止してもいい制度」との声も聞かれました。
地方局再編の見直しを求めます。

 以上、反対討論と致します。