2009年12月議会
堀江県議の一般質問 12月7日
一問一答方式
○2番(堀江ひとみ君)(拍手)〔登壇〕
 日本共産党の堀江ひとみです。
 通告の順番を変えて、一問一答方式で質問いたします。

 1、知事の政治姿勢について。
 (1)不出馬表明後の知事の対応について、質問します。
 知事は、来春の知事選には立候補しないことを表明しました。私はその時点で、県政の重要課題については、今後、県民に選ばれた新知事が対応すると表明したのも同じだと思います。現に知事も、不出馬会見で、「県政運営に斬新な発想が必要」と言っています。
 その点から見ると、例えば石木ダム問題、県民の反対の声がある中、事業認定手続を行いました。しかし、自らは不出馬を表明し、県政から退きます。「金子知事の態度は無責任」、そういう声が私のところに寄せられました。

 例えば整備新幹線問題、「フル規格が望ましい」との知事発言が報道されました。本県選出の国会議員からの問いに応えたとはいえ、「財政負担はどうなるのか、これまでの議論を振り出しに戻して何を考えているのか、無責任ではないか」との県民の声が私に届いています。

 例えば諫早湾干拓潮受け堤防開門の問題、「佐賀県知事に対し、断固反対であるとの本県の意向を伝えに行く」と答弁しました。知事は、「開門したら塩水がしみて土地が使えなくなる」と、定例記者会見で述べていますが、塩害で畑作ができなくなる事態にはなりません。畑地土壌への塩分浸透の可能性についても、内部堤防内側には潮遊びと呼ばれる遊水池の役割を果たす排水路が張りめぐらされているので心配ありません。さらに、調整池に塩分が入りますが、かんがい用水は下水、高度処理水を使うなど別途手当てをすれば、農業に支障はありません。

 私はこの場で、一つ一つの問題を論じる時間もありませんし、気持ちもありません。私が言いたいのは、既に明らかにされた論点を持ち出して、絶対に開門はするなと主張する知事の態度は、県民の理解は得られないということです。開門してしまったら、この諫早湾干拓は何だったのかという過去にこだわる立場ではなく、農業も漁業も成り立つ方法があるということ、有明海再生のために開門は不可欠だということ、現状を直視して、今何をなすべきかという立場こそ求められています。

 私は、立候補しないと表明した知事が、開門は絶対反対だと言うだけの佐賀県知事とのお話は無責任と思います。県政の重要課題は新しい知事に任せるべきではないですか、知事の見解を求めます。

〇知事(金子原二郎君)〔登壇〕
 堀江議員のご質問にお答えいたします。
 議員ご指摘の事業は、いずれも長崎県の将来の発展と住民の暮らし、安全・安心を確保するため、ひとときも揺るがせることなく、任期満了日まで全力で取り組まなければならない重要な課題であるというふうに考えております。

 石木ダムにつきましては、佐世保市の慢性的な水不足を解消し、川棚町の抜本的な治水対策を図るためには、石木ダム以外には方策がないことから、知事に就任以来取り組みまして、これまでに約8割の地権者の同意をいただいています。残る地権者の皆様に対しても、事業の必要性をご理解いただけるように、再三にわたり個別訪問などを行ってまいりましたが、話し合いの糸口が見出せない状況となっています。

 このようなことから、話し合いを促進するために、県議会、市議会などのご意見を踏まえまして佐世保市と協議の上、川棚町と相談した上で、11月9日に事業認定申請書を提出し、一定の方向づけができたものと考えております。

 また、九州新幹線西九州ルートの全線フル規格の問題につきましては、11月24日の民主党国会議員への整備新幹線説明会の席で、全線フル規格についてお尋ねがありましたので、「個人的にはフル規格が理想であるが、佐賀県にも事情があり、そう簡単にはいかないけれども、新幹線効果を最大限に上げることを考えるならフル規格がいいでしょう」と申し上げたところであります。全線フル規格につきましては、日本の西の端に位置する西九州地域の将来の発展を考えた場合、大阪まで約3時間で結ばれることは、交流人口の拡大に大きな効果があると考えておりまして、佐賀県の事情が許せば、ぜひ実現していただきたいと思います。

 民主党政権でも新幹線については、財源負担をはじめ、これまでのスキームを見直して建設を推進する動きもあり、全線フル規格という意見も地元国会議員から示されていることから、政治主導である現政権の今のやり方からも見て、私も大いに、大変期待いたしているところであります。

 また、諫早湾干拓事業の開門調査につきましては、仮に開門調査が実施されれば、ようやく確保できた干拓地や背後地の防災機能が低下するとともに、干陸地の農業用水に支障が生じるなど、地元における甚大な被害の発生が強く懸念されていることから、県としては反対の立場であることは、これまでも何度も申し上げたとおりであります。

 私は、この3期12年の間、県民の幸せと長崎県の発展のためという一念で知事の職務に全身全霊を傾けてまいりました。残された3カ月の任期も、引き続き全力で知事としての職務を全うする決意であります。そして、新しい知事には、就任後速やかに諸般の政策課題に全力投球していただけるよう、残された任期中、本県の現状や課題をしっかりと整理して、円滑に新知事に引き継ぎを行ってまいりたいと考えております。

○2番(堀江ひとみ君)
 長崎県議会には、県民の皆さんのご支援により、30年以上にわたり日本共産党の議席がつくられてきました。私は県議3年目ですが、これまでの歴代県政の資料を調べてみました。

 久保県政12年、高田県政16年、そして、金子県政12年です。金子知事の最初の予算編成となった1998年7月定例会、日本共産党は、県民の暮らしを直接支える生活福祉費、環境保健費、教育費の合計が予算総額に占める割合は、県政史上で下から2番目に落ち込み、公共事業の大盤振る舞いで、土木費の割合は史上最高である。土木開発優先を図りながら、県民の暮らしに一層冷たい予算と反対しました。生活福祉費、環境保健費、教育費の予算に占める割合は、久保県政は、多い時、50%台もありました。高田県政で40%台となり、金子県政で30%台に落ち込みました。

 その一方で、金子知事は、田も畑も余っている減反の時代に、諫早湾干拓事業を推進しました。また、企業誘致を進め、そのための部局も立ち上げ、誘致企業をさまざまに優遇してきました。

 ここに一つの指標があります。産業振興構想に基づく誘致実績です。2000年から2010年を期間として、金子知事のもとで産業振興構想が進められてきました。実績によれば、この間、73社の企業、約7,000人の雇用をつくったとされています。一定の地域貢献はあったと思います。しかし、県民所得は45位、46位と下位を低迷しました。久保知事がやめられる時、県民所得は42位でした。

 知事、私は思うのです。金子県政は大型開発を進め、企業誘致を進め、一定の地域貢献はあったでしょう。しかし、県民の暮らしの向上にはつながらなかった。そのことを証明した12年ではなかったかと思うのです。大型開発優先では、県民の暮らしは守れないのです。

 私は、新しい知事には、諫早湾干拓潮受け堤防の開門を求め、漁業も農業も成り立つ県政を求めます。整備新幹線、石木ダム建設を中止し、県民の暮らしを優先する県政を求めます。

 そのために、来春の知事選挙では全力を尽くすことを改めて表明して、次の質問に移ります。

 2、学校図書館に専任司書を配置することについて。
 学校図書館を児童生徒がいつでも利用できるようにし、学習活動に必要な図書の情報や資料の提供など、きめ細やかな支援を行うためには、専門性を有する司書の配置は欠かせません。

 学校図書館に専任司書を配置することについて、教育長の見解を求めます。

○教育長(寺田骼m君)
 学校図書館教育の充実のために、現在、学校図書館法に基づいて、12学級以上のすべての学校に司書教諭を発令するとともに、11学級以下の学校についても、司書教諭の資格を持つ者の配置に努めているところでございます。

 また、学校図書館のさらなる活用のため、専任の学校司書を配置することの重要性についても十分認識しております。

 今後とも、長崎県こども読書活動推進計画に基づいて、市町による学校図書館支援のための人員配置が拡大していくよう働きかけてまいります。

○2番(堀江ひとみ君)
 
12学級以上のすべての学校に司書教諭が配置をされて、県立高校、特別支援学校にあってはともに100%の配置率、この12学級以上の学校に司書教諭が100%配置をされているんですけれども、その中に専任の方がおられますか。

○教育長(寺田骼m君)
 司書教諭につきましては、すべてこれは教諭でありまして、司書教諭専任というのはおりません。

○2番(堀江ひとみ君)
 私がここで確認したいのは、一つは、教育長自身が学校図書館への人的配置が重要であるというこの認識を持っているかどうか、この点については認識が示されました。

 それからもう一つは、司書教諭イコール専任司書の配置ではないということです。学校図書館法の改正によって、確かに司書教諭、12学級以上の学校にあっては発令ができるようになりましたが、現実は、専任という意味では伴っておりません。
 長崎純心大非常勤講師であります小袋朋美先生は、「学校図書館法で12学級以上ある学校には司書教諭を置くことになっているものの、常駐の専任司書を配置する学校はまれだ、教職との兼務が一般的だし、実態は名ばかりであることが多い。休み時間にかぎがかかった学校図書館もあるようだ」と指摘をしています。

 また、長崎市も、12学級以上の学校には司書教諭が配置されておりますが、担任や他の校務との兼務で学校図書館の業務に専念できる時間は限られています。「学校図書館の充実のためには、多岐にわたる業務を行う専任の司書教諭の配置が必要であります」ということで、専任の司書教諭配置のために、県に特段の配慮を要望しております。
 この司書教諭というか、学校司書と呼ぶのか、要は、学校図書館に専任司書を配置してほしいというのが本質問の趣旨であります。私が所属いたします文教厚生委員会の中で、引き続きこの問題は論議させていただきたい。

 3、長崎県地方税回収機構について。
 長崎県地方税回収機構は、地方自治法に基づかない任意組織です。任意組織ですから、公権力の行使はできません。しかし、総務部税務課のホームページには、「長崎県地方税回収機構とは、滞納者に対して差し押さえ等の滞納処分を実施します」と書かれています。

 私は、本議会初日に行った昨年度の決算審査反対討論において、「こうした県民を威圧する行為は大問題である」と意見を申し上げました。県民に誤解を招く表現であり、正確な表現にすべきと考えますが、総務部長の見解を求めます。

〇総務部長(山口祥義君) 
 本年度から設置しました長崎県地方税回収機構につきましては、滞納処分する権限はございません。

 このため、県職員と市・町の職員が滞納案件のある市・町の身分を持って滞納整理を行っておりますが、差し押さえ等の滞納処分につきましては回収機構ではなくて、あくまでも市・町の長が行っているところでございます。

 ご質問の税務課のホームページの表現につきましては、誤解を招くとのご指摘もございましたので、誤解のないような表現を検討していきたいというふうに考えております。

○2番(堀江ひとみ君)
 「長崎県地方税回収機構とは、滞納者に対して差し押さえ等の滞納処分を実施します」ということで、給与、預貯金、自動車、不動産、差し押さえの具体事例も書く。さらには、県内の市役所のロビーには、具体的にタイヤロックはどんなふうにするのかという見本まで置くというような状況に置かれています。

 今、「検討する」というふうに言われましたけれども、その具体的な中身はどんなふうに検討されておられるのですか。今の時点で答弁ができますか。

〇総務部長(山口祥義君) 
 ちょっと1点だけお話しさせていただきたいのは、あくまでも納税は県民の皆さん方にルールに基づいて適正にやっていただきたいということを考えております。滞納をできるだけしていただきたくないし、払っていただいた方との公平の問題というのはしっかりしていかなければいけないので、まず、それは押さえた上で、我々のホームページは、「地方税回収機構とは」というふうな表示のもとで、同じ四角の中に、「市町が」というふうに主語は書いてありますけれども、「滞納処分を実施します」と書いてありますから、そこは議員のおっしゃるように、言い方によってはちょっと誤解になるので、「地方税回収機構の取り組み」というような言い方にして、あくまで権限は市・町の長なんだよというふうな形で、わかるような形で修正したいと思っておりますが、修正案をまたご提示させていただいて、誤解があるかどうか、またご指摘いただければと思います。

○2番(堀江ひとみ君)
 今日のところは総務部長が、「長崎県地方税回収機構とは、差し押さえ等の滞納処分を実施します」というここの部分を訂正すると。「長崎県地方税回収機構は滞納処分の権限はない」というふうに一番最初、総務部長が答弁をされておりますので、そのことについては了としたいというふうに思います。

 そして、滞納処分の権限はないというのであれば、私は、長崎県地方税回収機構というのは違法な徴収を進める組織という認識がありますから、私はこれは解散すべきだと思っております。ここの部分は、今日は十分な時間はありませんので置いておきます、税務課のホームページは誤解がない表現で正すと。ぜひ実施をしていただきたい。
 実施の確認をもう一度とります。答弁してください。

〇総務部長(山口祥義君) 
 ここは修正したいと思います。

○2番(堀江ひとみ君)
 最後に、大島大橋での自転車通学通行料無料についてです。

 「西海市の大島大橋を渡って大崎高校へ通う自転車通学の通行料は、今すぐにでも無料にしていただきたい」、9月定例会予算総括質疑での私の質問に、知事は、「検討する」と答弁しました。その後の検討状況はいかがか、知事の答弁を求めます。

〇知事(金子原二郎君)  
 大島大橋の料金につきましては、9月定例会で検討してまいりますということでお約束しましたので、今度は前向きに、できるだけ早く実行に移させていただきたいと思っております。

○2番(堀江ひとみ君)
 「前向きでできるだけ早く」ということは、知事はもうやめられるわけですから、どういうことでしょうか。私にわかるように説明を願います。

〇土木部長(桑原徹郎君)
 自転車通行料の無料につきましては、地元議員からも要望いただいておりまして、また、利用台数も限られ、有料道路事業の償還計画への影響もほとんどないということから、県としましては、先行して実施することについて検討してまいります。

○2番(堀江ひとみ君)
 この問題は、文教厚生委員会で、西海市選出の瀬川委員長、馬込議員、山田博司議員、多くの同僚議員が要望している問題です。今、前倒しで前向きにということなんですけれども、どうしてもその点は再度確認しておきたいと思います。

 どういうことかといいますと、西彼半島在住の多くの生徒さんたちは、自宅から大島大橋のたもとまで自家用車で保護者に送ってもらうと。橋のたもとのレンタルビデオ屋さんで自転車に乗り換えて大島大橋を渡って登校します。ここでそのまま保護者が送り迎えすれば、車の通行料がかかりますから、これは1カ月3万円かかるんですね。それを自転車に乗り換えて、生徒1人当たり年間で1万8,000円と経費の削減をするわけです。

 県立大崎高校の校長先生は、文教厚生委員会の求めに応じて、「大島大橋の通行に関する調査結果について」という報告書を出されました。そして、この報告書の中で次のような所感を述べておられます。「この生徒たちも、仮に保護者が橋を渡って大島町の橋のたもとまで送迎できれば、生徒たちにとっても悪天候の際の危険性が少なくなることは明らかです。また、経済的な面からも、橋の通行料が無料、もしくは引き下げられれば、西彼半島にあります西海や大瀬戸の中学校からも生徒が通学しやすくなり、本校への入学者も多少は増加が期待できるのではと考えております。少子化の中で、少なくとも生徒数の現状維持が実現できれば、あらゆる教育活動をこれまでどおり支障なく行うことができると考えております」ということで、強く要望を示されました。

 「前向きに前倒し」という、私にとっては理解できない、するかもしれないし、しないかもしれない、じゃ、いつからするのかというさらなる疑問を持つような方法ではなくて、例えばいつから実施をするとか、そういう明言をしてくださいよ。少なくとも償還には影響ないと明言しているんですから、私はそこまで配慮があっていいかと思うんですが、知事の答弁を求めます。

〇知事(金子原二郎君)
 私、やめる人間ですから、権限はありませんけれども、一応ちゃんとして次の知事に引き継いで、できたら4月1日から実行に移されるように、ちゃんと申し伝えておきたいというふうに思っております。

○2番(堀江ひとみ君)
 今、知事の方から、4月1日から実施をするという具体的な方向で検討したいということで答弁がありました、住民の願いに応えた知事の答弁は大いに評価しまして、私の質問を以上で終わります。(拍手)