9月県議会 文教厚生委員会 9月17日
長崎歴史文化博物館・指定管理者の指定について
《質疑と反対討論》
【堀江議員】
 長崎歴史文化博物館の指定管理者の指定に伴う債務負担行為21億円の中身をもう少し説明してください。

【溝江文化振興課長】
 21億円の中身としましては、毎年3億5,000万円の6年分ということで計上しております。
 
 その3億5,000万円は、館の人件費、あるいは、館を維持するための維持管理費、水・光熱費、あるいは教育普及事業、生涯学習事業等が含まれております。

【堀江議員】
 1年の債務負担行為、運営負担金ということで3億5,000万円、この3億5,000万円がこれまでの指定管理者の負担額と同じなんですけれども、その同額であるということについての見解をお聞かせください。

 平成18年に「包括外部監査結果に係る措置に関する調べ」で、今回の指定管理者制度の導入は、予算を削減する一つの方策ではないかと見解が述べられています。

【溝江文化振興課長】
 指定管理者導入のねらいは、コスト削減だけではございません多様化する住民ニーズに的確に、効果的に、効率的に対応するために、民間事業者の有するノウハウを使って県が求めるミッションに対する館運営を行ってもらうということで導入した。

 もう一点は、現在の運営を維持していくためには、去年までと同じような、一応3億5,000万円をできれば確保していただきたい

【堀江議員】
 指定管理者の指定が、コスト削減だけが目的ではないということは理解をいたしました。

 そこで、前回の指定管理者の指定は4年間でしたが、今回6年ですよね。この違いは何ですか。

【溝江文化振興課長】
 通常の管理運営の指定管理期間につきましては3年サイクルとなっておりますが、博物館とか、美術館につきましては、どうしても長期の運営スパンが必要です。正規の職員を採用するには、やっぱり1〜2年ではいい職員を集められませんので、最低でも3年サイクルで6年間あれば職員も集められると、そういうのが主な趣旨だと思います。
 
【堀江議員】
 乃村工藝社ですが、私が、把握している範囲でも、北海道から九州まで、博物館、文学館、記念館、ミュージアム、29施設を持っております。

 今回、最初は12者が現地説明会に参加をしたんですが、応募しなかった主な理由として、歴史関係の企画展示のノウハウの実績がなくて、高度なため能力的に無理と判断をしたと、で、辞退をしたということなんですが、そうしますと、この乃村工藝社と同等規模といいますか、長崎歴史文化博物館を指定管理者として受けるような企業、業者というのは、全国にほかに何社かあるんですか。

【溝江文化振興課長】
 全国的に何社かという数の把握はいたしておりません。

【堀江議員】

 要するに、乃村工藝社しか受けられないのではないかという疑問が私の中にはあるんです。規模やノウハウを含めて、全国で乃村工藝社以外にあるのかという情報は把握しておられないんですか。

【藤文化・スポーツ振興部長】  
 神戸だったと思いますけれども、乃村工藝社が今まで管理していたら、今回、ほかの会社に指定管理者の候補で負けております。ということは、実態的にそういう企業が存在すると思います。

 ただ、県立のこの程度の大規模な館というのは、全国にざらにあるわけじゃありません。我々は新しい館でございますけれども、それまでの館というのは、ほとんど直営でやられていたり、あるいは公共の財団法人が管理運営をやっていたという事例が多うございますので、こういう大きな館の実績を持った企業というのは少ない。そういう意味でも企業が数多くあるというわけではない。

【堀江議員】
 長崎歴史文化博物館は、例えば県と市が一緒になってやる試み、すべて管理運営を指定管理者に任せるという全国初の試みでされています。

 例えば学芸員は行政から派遣をするという方法はとらないで、一切乃村工藝社が全部管理運営をするというのが長崎県のやり方です、4年間の検証をしたのかお尋ねいたします。

【藤文化・スポーツ振興部長】
 検証的には、毎年、実績をもとにして150項目ぐらいの項目で毎年の事業内容、運営状況、研究調査の内容等について細かくチェックして、それを我々は評価するようにしております。重々に評価した上で今回の募集要領を作成したということでございます。

【堀江議員】
 私は、これだけの規模の歴史文化博物館を担うには、やはり乃村工藝社ほどの企業というのはそうそういないということを実感するんですね。

 そこで、もう一つお尋ねなんですが、最初、予算のところで文化振興課長から、指定管理者の指定はコスト削減が目的じゃないということで、総合的に県民ニーズにどう応えるかと、どういう運営をするのかという観点で取り組んでいるんだという回答がありました。

 そうであるなら、こういう大事な県の財産を直営でできないのか。直営という検討は、もうされないんですか。

【藤文化・スポーツ振興部長】
 長崎歴史文化博物館をつくる過程の議論をちょっとご紹介させていただきたいと思います。平成13年に構想をつくって、それから作業を進めてきたわけでございます。当初、美術館と歴史文化博物館を一緒につくると。その運営は、直営ではなく、県と市で一緒に財団法人をつくって、その財団法人に運営を任せようじゃないかというところでスタートしたわけでございます。

 その時に、直営か、そのころは指定管理者制度がございませんでしたので、財団法人しかあり得なかったわけでございますけれども、その当時は、もう直営ではこういうものはなかなか運営できないんじゃないか。いわゆるまちづくりとか、人を呼ぶとか、自由な運営をやるとかという場合は、直営ではなかなか難しい。

 そこで、我々は財団法人を選択いたしまして、実は平成16年度の予算では財団法人の設立費を承認いただいております。実際その時は、我々は財団に委託しますという議論で議会にもご説明してきていたわけでございますけれども、平成16年の6月に地方自治法の改正が出てきまして、その中で初めて指定管理者制度がうたわれたわけでございます。

 それで、我々は財団でやる場合も、直営じゃないですので、指定管理者制度にのっかってやらないといけないということで、急遽条例等を整備いたしまして、いわゆる指定管理者制度での運営という形をとらせていただいたわけでございます。

 長崎歴史文化博物館の時も結果的には、全国から6者の応募がありましたけれども、その時は財団は乃村工藝社に負けまして、乃村工藝社の指定ということになったわけでございます。

 ただ、委員ご指摘のように、学芸部門等についてどうするのかという議論もありましたけれども、それはきちんとミッションを出すことによってクリアできるんじゃないかということで我々は対応してきております。現実的にも、我々は、かつてあった県立美術博物館以上に現在の美術館、博物館は、調査研究を含めていろんな事業が運営されているということを感じておりますので、この指定管理者制度のもとに今後とも続けていきたいということで対応しているところでございます。

【堀江議員】
 今回現指定管理者を指定するということで、今後もこの歴史文化博物館ができて10年、乃村工藝社が指定管理者になるんですが、今後も乃村工藝社以外にはなかなか無理なのかなという思いが私の中ではあるんですが、そのことについての見解を最後にお尋ねします。

【藤文化・スポーツ振興部長】
 はっきりいいまして、都道府県立のこの程度の規模の博物館等について、現在も幾つかの県で指定管理者制度への移行ということが検討されているところがあります。これは複数県ございますので、そういうところに、今後、民間企業等が進出していけば、民間企業もあり得るのではないかと思います。

 ただ、そういうところについては、既存の財団法人を含めて、多分応募なさるのではないかと思っておりますので、どこまで民間が今後育ってくるのか未知数でございますけれども、可能性としてはこれからも幾つか出てくる可能性はあるんじゃないかと思いますし、各県から我々も幾つか募集要領の照会とか、考え方の照会等もあっているところでございます。

反対討論
【堀江議員】
 第127号議案「公の施設の指定管理者の指定について」、私は地元ではなく、大手民間企業が丸ごと長崎歴史文化博物館を管理することにすんなり納得できません。

 1つは、指定管理者制度が自治体本来の機能を徹底して民間化、外部委託をするねらいのもとに進められているからです。

 2つは、長崎歴史文化博物館は、県民・市民の文化活動の拠点、観光に役立つ施設、地域活性化の核となる博物館を目指して、長崎県全体の歴史文化を網羅した発信基地の役割を担っています。

 私は、長崎県にとって重要な施設であり、県民の財産である長崎歴史文化博物館は、民間企業ではなく、県直営で運営すべきだと思っています。

 以上の理由で第127号議案には反対とさせていただきます。