【堀江議員】　
　日本共産党の堀江ひとみです。

　通告に基づき、一問一答方式で質問します。

　本会議初日の知事説明では、企業の大量解雇に対する規制政策がありませんでした。そこで、解雇規制施政策への見解を求めます。

　長崎県がこれまで18億円の補助金を出したソニー長崎で、派遣社員100人が解雇され、そのうち22人が解雇撤回を求めています。解雇された県民の置かれた状況は深刻です。「結婚したいが白紙になった。将来が見えない」「2月に子どもが生まれた、家族を守らなくてはならない」「姉妹でソニーから解雇された。家族の収入が断たれている」私は、県民の暮らし、雇用を守る立場から、知事は、ソニー長崎に対し元社員の直接雇用を求めるべきと考えます。

知事の答弁を求めます。

【金子知事】
　国と地方の役割の中で、解雇に関する規制につきましては国の役割ということになっておりまして、残念ながら、県として個別企業に対して指導・監督などの規制を行う権限はありません。

　ソニー長崎に対してのお話でございますが、ソニー長崎に労働者を派遣した事業者、要するにソニー長崎に労働者を派遣した事業者に対しまして、雇用調整助成金というものがありますね、この雇用調整助成金を活用して、できたら、そういった雇用の確保をお願いしたいと言うことでお願いをいたしております。

　ただ、なかなか現時点では、非常に難しいというような状況も伺っておりまして、特に、今回派遣事業者で削減する予定になっておる方々につきましては、7割の方々が再就職が内定しておると、あとの方については、県外に出られないという理由などによって再就職が決まってない方もいらっしゃるということでございます。

　したがいまして、私どもといたしましては、そういった方々に対して、今後、諫早の公共職業安定所とか、県の方でできるだけ再就職のお手伝いをしていきたいというふうに考えておる次第でございます。

【堀江議員】
　解雇規制政策と言うときに、国レベルで見ますと、解雇の妥当性を行政チェックしたり、合理的理由がないと、雇い止め、解雇を無効とする立法措置など、派遣切り、非正規、こうした防止のための有効な対策がとられるべきですが、今知事が言われたように、国としても、まだ本当に不十分です。

　その中で、地方自治体が今、何ができるかというときに、雇用を継続してほしいという要請行動ができるかと思います。この要請行動については、これまでの質疑の中で、長崎県としても、例えば解雇がわかった段階で雇用の継続をということを口頭、あるいは担当部局の職員が出かけていって要請をしてきたというそうした実情は、私も理解をいたしております。

　知事の答弁は、国の政策が不十分な中だけれども、長崎県としてはやれるところは一通りやっているんだという答弁だったかと私は理解をいたしました。

　一般的な答弁に聞こえたわけです。私は、雇用の実態を深刻な事態であるということをさらに認識していただきたいということをもって、このことを総括質疑の項目にいたしました。

　解雇規制政策が一通りお願いしたで、果たして済ませていいのかと、このことを今回の質疑の中で問うているわけです。

　今回、私が取り上げましたソニー長崎での100人の非正規雇用の問題、働かされ方とか、いろいろな問題はあるんですが、それは置いておいても、県内の企業で100人を超えて解雇がされた。そして、「労働組合」という言葉を聞いたことがあっても何のことか全く知らない、そうした20代、30代の人たちが解雇撤回を求めています。「9年勤めて仕事には自信がある。家も購入した」「収入がないということに不安を持ちながら暮らしている」「明日、あさってのことも考えられない。職安にも通っているが仕事がない。子どもを幼稚園に行かせられなくなったら子どもに申しわけがない」「自分たちは物じゃない、生きているんです」こんなふうに切実に訴えられています。その皆さんは、本日傍聴席で知事の答弁をかたずをのんで聞いています。解雇された県民に、私は知事が心を寄せてほしいと思っています。政治があらゆる手だてで解雇問題の解決に当たってほしいという思いを込めて、この質問をいたしております。

　知事は、ソニー長崎に対しましては個別の判断ということで、具体的な対応をされないという明言は避けましたけれど、私は知事自身がソニー長崎に対し、元社員の直接雇用を求めていただきたいと思っております。この問題は、私にとっては貴重な知事とのやりとりができる10分間の質問ですので、知事に対し、再度答弁を求めます。知事が答えてください。

【金子知事】　先ほども申し上げましたように、ソニー長崎に対して、ソニー長崎への派遣業者の方が派遣して雇用関係ができておるわけでございますから、派遣の事業者に対して、私か県から、そういった申し入れをするということについてはやってもいいというふうに私も思っております。

【堀江議員】　派遣の業者ということに対し、ソニー長崎ということではないにしても、知事が今回の雇用継続については対応していただくという答弁と認識してよろしいんでしょうか。

【金子知事】　私が行ってできるかどうかわかりませんけど、最大の努力はしてみたいと思っております。

【堀江議員】　知事が最大の努力をしたいということで答弁をいただきましたので、私としては2分残っておりますが、知事の答弁を了として、質問を終わります。