県央県南クリーンセンター」についての堀江県議の質疑
 10月2日 厚生環境委員会


●堀江県議
 クリーンセンターは諫早市に所在いたしまして、諫早市・・雲仙市・島原市・南島原市の4市で構成します、県央・県南広域環境組合が設置し運営しているゴミ処理施設です。05年4月に本格稼働が始まってから2年6ヶ月が経ちますが、この間大きなトラブルや問題が起きています。
◆ 05年7月、収集したゴミを処理できず長崎市の処理工場に委託。
◆ 予定を大幅に超える天然ガスを使用している。
◆ 必要な液体酸素は施設の酸素製造設備で製造するので、外部からの搬入はしないとされていましたが、大量の液体酸素を搬入している。
◆ つぎつぎに追加施設を建設しないとゴミ処理に対応できていない。
◆施設の周辺地域への悪臭がひどい。
◆高い処理費用、ゴミ1トンあたりの処理費用がクリーンセンターでは24,879円、旧諌早市環境センターでは16,224円、長崎東工場では12,831円ですから1トンあたりのゴミ処理費用は高い。
◆現在3つの炉があるのですが、この3つの炉が本格改修が必要というので3つの炉をそれぞれ30日間ずつ停止をするという。そしてその間、長崎や熊本へゴミ処理を委託するとなっているのですが。
 まず最初の質問ですが、こういう現状・事態を長崎県は把握しておられるのか質問します。

廃棄物・リサイクル対策課長 
 現状を長崎県としてとらえられているか、というようなご質問でございます。これは、県央・県南広域環境組合から情報を得ておりまして、今言われた全てのことを理解しておりませんけれど、試運転時の問題ですとか、台風でゴミが増えましたと。そして処分できずにおります。あるいは委託しておりますとか、そういう風な話は情報を密にしております。

●堀江県議
 本格稼働が始まって2年半ですが、今私が言いましたように現状3つある炉を本格的に修理しないとならない事態と言うことについて、施設そのものが欠陥施設ではないか。
 これは議会の中、諌早市議会、広域組合の議会の中で指摘があっておりますし、また住民からそういった指摘があっております。
 一方このメーカー自身が炉の改修費でありますとか、炉が使えませんからその間のゴミの運搬については全てメーカーが負担をしたい、という風に欠陥と認めているという風に私は認識しているのですが、このことについて、現状は全てではないけれどもこの間の経過は把握していると言われましたが、欠陥だという風に住民の方が指摘をして、そのことについてはどのように認識しておられますか?

廃棄物・リサイクル対策課長
 私どもはその自治事務という事それについてそれぞれが自治事務がございますから、県としての立場としましては、その辺の処理の方針とか、そういう炉を設計した、あるいは導入した、そういう部分とかそういうものについては、そこは我々としてはタッチしていないと言うことであります。
 さっき堀江先生が言われました、欠陥であるのかないのか、その判断というのは我々の方としてはできかねるということであります。

●堀江県議
 現状については、自治事務であると、まあはっきり言ってしらんよということですね、ひらたく言えば。
 課長の言葉を借りればタッチをしていない、ということになるんですが。このクリーンセンターはなぜ作られたか?長崎県が広域ブロック表を作りまして、このゴミ処理広域化計画に基づいてこれは作られている。
 平成10年に60施設ある県内のゴミ処理施設を、ゴミ消却施設を平成30年には9施設にしようと、いうことでこの広域化計画に基づきまして、県央県南のクリーンセンターは作られている。
 そういう県のゴミ処理計画に基づいて、作られたクリーンセンターなのに、県としてはしらんよという立場ですか?

廃棄物・リサイクル対策課長
 たしかに先生のいわれますように広域化計画というのは、平成9年その当時の厚生課長通達に基づきまして平成11年、県が作成したものでございます。
 30年度をめざしまして7ブロック9施設に焼却炉を集約しようと、こういう計画でございます。また、一方ダイオキシンにつきましては、平成11年が20cであったのを80分の1ぐらいに減らそうという、大きな二つの目的を持ちまして、広域化計画というのは始まっているわけでございます。
 我々としては、その作成の段階にあたって、市町村とともに充分議論をしてまいったわけでございますけれど、その現在施設にどういうものを導入したのか、あるいは施設の処理方式とか、あるいは運用方式にまでは実際にタッチはしていないのでございます。
 先ほどいいましたように、家庭からでるゴミ一般廃棄物でございますけれども、これは市町村の自治事務だと我々は認識しております。
 ただ、それに対して我々はなにもしないのかい、という風なご指摘がございましたけれど、県は市町村に対してですね、技術的な援助をするという風にはいそう法上は定まっております。この技術的な援助と申しますのは、法律上の定義というのは明確ではございませんが、県の廃棄物処理計画、これは法に基づいた処理計画でございますけれども、その中で市町村間の調整ですね、それから市町村への情報提供あるいは市町村の職員に対しての講習とか研修、等々が技術的な援助と解釈している訳でございます。

●堀江県議
 国の方針であっても、長崎県がこのゴミ処理広域化計画は作ったんでしょ。そして、30あるゴミ処理施設を9施設にしようと、そのために広域化してこういうクリーンセンターを作ろうという形で進めたんじゃないですか。
 私がですねなぜこのことを問題にするのかといいますと、この構成自治体、最初私が言いました、諫早市を含め他の自治体に、これは大変な負担になっていってるんですよ。
 もちろん最初建てる際の国の補助はあっておりますが、その後の管理運営等についてはこれは構成自治体で負担することになっておりますね。
 たとえば諫早市の場合、今年の負担分は12億600万円、1世帯約24000円であるんです。これだけではなくて、この間2年あまりの間にですね追加施設が作られましたけれども、その額は約4億円、これが全部ですね構成自治体が負担をする。
 つまりはそれぞれの住民の負担になっていくわけですよ。ましてやですね、今回の3つの炉の本格的保障はメーカーが負担すると言ってはいるものの、今後こうした追加施設も含めてお金がかかると、そういう市民のみなさんの指摘、住民のみなさんの指摘があっているわけですよ。
 それなのにですね県は作るときには県は関与するけれども、もう稼働してしまったら県はしらないんだとそういう立場ですか。
 私はですねもっと長崎県が進めるゴミ処理広域化計画をするのであればですね、単に計画をやっているだけではなくて、進行状況、あるいは様々な問題があれば対処する、どうしてここだけですね住民がそれ以上負担しなければならないのですか。
 そういう住民の疑問に答えたりすると言う意味からもですね、自治事務と言うことに片づけずにですね県は何らかの対応をするべきだと思うのですが、そういう考えはお持ちでないですか?

廃棄物・リサイクル対策課長
 この広域環境組合からは色々な問い合わせもありまして、一緒にやってそれは考えてみるところも多々あります。
 まったく市町村・組合からのですね問いかけについて我々としては何も働きかけていないというわけではありません。

●堀江県議
 そうしますと課長の答弁は、広域組合なりが相談があったら一緒に考えて対応していくととってもいいんですか。

廃棄物・リサイクル対策課長
 具体的にどこまで検討・対策するかというのはこれは、今の段階で私どもで言うことはできませんけれども。
 先生指摘のように広域化計画を市町村と一緒になって作り上げた県の立場もございますので、今後ですね環境組合の方からも事情をよく聞いてですね、一緒に悩むところは悩んでみたいと思います。

●堀江県議
 まあその一緒に悩むところは悩みたいという風に課長が答弁いたしましたので、ぜひその姿勢で対応していただきたいと思っています。
 確かにですね、自治事務ですから、法的な根拠、たとえば異常なダイオキシンが出たとか、そういうことがないと県は対応しない、とそういう事があるかもしれませんが、言われるように次から次に、まだ3年もたっていないのに本格的な炉を廃止しなければならないと言う事態は、異常だと思うのです。
 それが全部住民の負担にかかる。こういう部分については、対応についてぜひ一緒に対応していただく姿勢であたって頂きたいと強く要望しておきたいと思います。