75歳以上の医療費制度についての質疑
 10月17日少子・高齢対策特別委員会
 

●堀江県議
 現在75歳以上の方が、国民健康保険に加入しておられます。この方がもちろん年金ですけれども、諸般の事情で国民健康保険税が払えなくなりました。滞納という形になります。こういう時に資格証明書の発行はありますか?

国保健康増進課長
 資格証明書の発行につきましては、条件がございまして、1年以上滞納されている方、これは一律にその要件を満たせば発行するというわけではございませんで、事情を充分お聞きして発行する、というようなことで対応をしております。

●堀江県議
 一般的に資格証明書はそうなんですが、国保に加入しておられる方の75歳以上の資格証明書です。発行はありますか。

国保健康増進課長
 今、老人医療制度の対象になっておられる方については、発行の対象にはなっておりません。

●堀江県議
 つまり75歳以上の人で、現在国民健康保険に加入しておられる方が、1年以上保険税を払うことができなかった。
 こういう場合は国保法に基づいてこれは被爆者もそうですが、資格証明書を発行することはできません。という認識でいいんですかね。

国保健康増進課長
 いま、ご指摘の通りです。

●堀江県議
 私がなぜこの質問をしたかといいますと、75歳以上の人は来年4月から後期高齢者医療制度に入ります。
 それは、国保に入っている人も、子ども達の社会保険の扶養になっている人も、社会保険の本人になっている人も、75歳以上であれば後期高齢者医療制度に入ります。

 そこで一番何が問題か、国保に入っていたら保険証の取り上げ、わたしはそういっているんですが、資格証明書というのは国保証ではありません。
 窓口で10割払わないとならないんです。つまり保険証がなくなるんです。国保に加入しておれば、資格証明書の発行、保険証の取り上げはありません。しかし、来年から始まります後期高齢者医療制度は、これは75歳以上の人が対象ですから、資格証明書の発行がありますね。これは、私の認識で間違いありませんか?

国保健康増進課長
 今度の後期高齢者医療制度においては資格証明書を発行するということになります。

●堀江県議
 五島市の中尾市長が五島市議会の本会議の中で一般質問でこういう答弁をしています。保険料滞納者を多少に発行する場合がある資格証明書について、中尾市長は「少し抵抗がある、心情としてはそぐわないと思う、どのような救済策があるか検討する」と述べました。
 今ですね問題になっているのは、75歳以上の人で、保険料が払えなくなったら、後期高齢者医療制度に入ったら保険証がもらえない、10割窓口払いなさいという資格証明書の発行になるんだ、ここが今一つの問題になっています。
 そういう点はですね、説明の中ではありませんでしたね。そこら辺は公表しないんですか。県民のみなさんに。

国保健康増進課長
 先程の説明の中にはですね、資格証明書のことは入れておりませんでした。今後の周知の中では、そういう制度もあるということについては、県民のみなさんにお知らせしたいと考えています。

●堀江県議
 もう一つ今日出されました後期高齢者医療制度の説明の中に、3.保険給付というのがあります。
 これは現行の老人医療制度と同様の医療給付という風にあるんですが、そのしたに米印で後期高齢者の心身の特性にふさわしい医療を提供するため新たな診療報酬体型について検討中ということです。
 これは具体的にいいますと75歳以上の高齢者にとりましては、今までの診療報酬を変えて、いわば包括払いだと私は聞いておりますが、そういう医療制度が差別される、同じような医療が受けられないこういう制度に変わるということですか、そういうことを検討しているということですか。今私が述べた説明の分をもう少し説明していただけませんか。

国保健康増進課長
 支払いにつきましてはですね、国の方ではまだどういう形になるか方向性は定まってないようでありますが、医療そのものについてですね、在宅医療を推進するということからですね、そういう観点の検討がなされておりまして、そういうものにつきましてはですね、現在国の審議会の方で検討されているという風に聞いています。

●堀江県議
 この場合はですよ在宅医療とは別問題だと私は思うんですよ。
 つまりですねこれまで年齢によって医療が受けられるというこのことで違いはなかったと思うんです。
 でも後期高齢者医療制度になりますと、包括払い、いわゆる病気毎に治療費の上限が決められる定額制が実施をされまして、その範囲内でしか保険の利く医療ができないと、だから病院にとっては制限を越える医療をしますとこれが持ち出しになりますから、逆に患者さんにとりましては、必要な医療はこれはここまでしかできませんよということで、そういう医療がされることになるという風に私は理解するんですね。
 そういう意味ではこの後期高齢者医療制度というのは、75歳以上にとってはですよ、これはいい制度ですかね。

国保健康増進課長
 この包括払いにつきましてはですね、健保組合等からですねそういうご提案がなされているという風に聞いておりまして、国の審議会の方ではですね、医療の提供をどういう風な形でやるのか、それを中心に現在は検討されているという風にお聞きしています。

●堀江県議
 私はですね後期高齢者医療制度が包括払いをすると、医療の制限を検討しているということについては、75歳以上にとってはですね後期高齢者医療制度に入るということは、これは大変な問題だという風に思うんですけど、そういう見解はお持ちでないんですね。再度質問します。

国保健康増進課長
 先程も申し上げましたように、現在の審議状況をですね、国の審議状況の中ではまだそこまでですね議論が至っておりませんので、そういう仮定の事は今のところ検討をしておりません。

●堀江県議
 私の質問に答弁ができないという話だと思うんですが、そこで角度を変えて質問したいと思います。
 保険料の問題です。長崎県は離島も抱えた県ですが、これまで国民健康保険税というのは、それぞれの地域ごとに決められておりました。自治体別に決められております。
 しかし、後期高齢者医療制度の保険料は、長崎県で決まられることになります。そうしますとこれは、長崎市に住んでおられる方も、五島に住んでおられる人も同じ保険料ですか。それとも同じ保険料でない別の方策等も検討されているのですか。

国保増進健康課長
 特例というのがございまして、一つは医療費、これは市町村単位でみるんですが、20%以上低いそういう場合につきましては、特例を設けることができるということになっておりまして、現在広域連合の方でそれについては保険料率を低くするという方向で検討をなされております。
 もう一つ無医地区等に対する特例というのがございますが、これについては地域単位でございまして、人数も非常に限定される、医療費も他の地域に比べて低くはないというような事情、それとか財源の補填がないと、保険料に跳ね返るというようなこともございまして、これについては適用しないというような方向で検討されているという風に聞いております。

●堀江県議
 そうしますと、同じ長崎県内の中でも、国がいう保険料は同じにしなくてもいいと、諸条件がそろえば、それぞれ保険料も検討することができるということを活用して、長崎県としても均一の保険料は定めないという方向で検討しているということで理解していいですか。

国保健康増進課長
保 険料につきましては均一でございます。先ほど言いましてのは、特例としてですね20%以上の医療費に格差がある市長につきましては、保険料を低くするということであります。

●堀江県議
 言葉の表現は違うけれども、長崎市の人と、五島市の人と、保険料は同じでないということでしょう。そういうことも検討しているととっていいんでしょ。

国保健康増進課長
 具体的にいいますと、五島市・小値賀町・新上五島町の場合がですね、医療費が低いということでこの3市町についてはですね検討をしていくということでございます。

●堀江県議
こ の保険料の問題につきましては、払える保険料にしてほしいと国民健康保険税を払っている人も、後期高齢者医療制度になる。
 子どもさんの保険に入っていた社会保険家族の人も今まで保険料がなかったんだけれども、75歳になって後期高齢者医療制度の保険料を払わなくてはならないということではですね、払える保険料にしてほしいという要望が非常に多いという風に思っておりますので、ぜひ、その立場でお願いしたいと思っているんです。

 そこで、後期高齢者医療制度の最後の質問にしますが、長崎県としては広域連合議会にどこまで指導ができるのか、このことをおたずねしたいという風に思います。
 たとえば、私が今申し上げました、払える保険料にしてほしい、こういう事を私やあるいは他の議員が、あるいは一般質問で、こういう事を要望したときに県としては広域連合議会に伝えることができるのか。
 あるいは、五島市議会で後期高齢者医療制度にかかわって、意見書が出されております。後期高齢者医療制度に対する意見書を全会一致で採択しております。こういったことなどもですね、たとえば広域連合の方にはどういう形で県として届けることができるのか。どこまで指導ができるのか、この点を質問したいと思います。

国保健康増進課長
 この事務につきましては、いわゆる自治事務ということでその決定については、広域連合の方にございます。
 ただ、県としましても広域連合に対して、指導・必要な助言・適切な援助をするものということで、法律に定めてありまして、その範囲で助言なり指導を行っていくということになろうかと思います。

●堀江県議
 そうしますとね、私がこうやって払える保険料にしてほしいと委員会でいいますでしょう、そういったことは助言・援助の範囲に入るんですか?
 それともまあ、議会でいろんな意見が出たけれどもそういうことについては自治事務だから、いわば県はノータッチだからなにも伝えられないという形になるんですか。
 後期高齢者医療制度に関わるのは広域連合で決まるということは私も承知を致しております。ですが、どこにその窓口として様々な要望を届けるかという時にですね、これは窓口が問われる問題だという風に思います。
 単に、後期高齢者医療制度の連合議会のそれは事務局だということにとどまらずですね、長崎県に県下から色んな要望が来るんでしょう、それはどこにもっていけるんですか、それは県が広域連合にもっていくんですか?そこを私は聞いているので、もう少し明確に答えていただけませんか。

国保健康増進課長
 先程委員ご指摘の五島市の意見書であるとかですね、というのは県を通していくのではなくてですね、直接要望についてはですね、広域連合の方に行くということになろうかと思います。
 県も先程の法律でですね定められた範囲内で助言なり指導なりをやっていくと。全てを県を通してやるというシステムではございません。

●堀江県議
 今、助言・援助をする立場にあると長崎県の役割を答弁されましたけれども、私はぜひですね、75歳以上になって払える国保税にしてほしいという要望がありますし、もともとこの制度は凍結して見直すべきだという声も県民の中にあります。そういった声もですね、ぜひ助言・援助の範囲内で届けていただきたいということを、強く申し上げたいと思います。