2006年度長崎県予算案の特徴と県行財政改革プランについて   
                   2006年3月  日本共産党県議 中田晋介

[1]一般会計総額7279億5021万円。
前年当初予算に比べて184億6673万円 2.6%の増。
 不況と国費削減で減り 続ける一般会計予算 
 01年 9545億2800万円 
 02年 8006億5200万円 
 03年 7844億8400万円
 04年 7535億3800万円 
 05年 7094億8300万円 
 06年 7279億6700万円

[2]「三位一体の改革」により国からの支出が削減された
 地方交付税 2291億3100万円 前年度にくらべ66億円2.8%の減。
◆地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債 208億円 前年度にくらべ23億円 10%の減。
◆国庫支出金 1204億7600万円 前年度にくらべ 194億6800万円 13.9%の減。以上の合計 283億6800万円 7.1% 削減された。

[3]借金は1兆円を超し、一人当たり71万円に
 収入の17・4%は借金、支出の17・1%が借金払いで過去最大の借金財政。
◆前年度の借金収入が14.3%,借金払いが14.6%にくらべさらに悪化している。
◆借金収入である県債が1268億3600万円 前年より 257億4100万円 25.5%の増。うち 271億3000万円は償還期間延長のための借り換え。県債残高は1兆0781億円で前年度より 218億円の増。県民一人あたり71万8000円、4人家族で 287万円の借金。
◆借金払いである公債費は1247億4100万円 前年より 209億6000万円 20.2%の増。公債費が一般財源に占める割合で財政悪化の状況を示す[公債費負担比率]が04年度決算で本県は24.3。全国平均の22.3をうわまわり、危険ラインとされる20をはるかに超えた。[起債制限比率]は13.2% 全国平均の 12.6%をうわまわっている。
◆支出が収入を上回る財源不足 195億円は、県の貯金である基金を取り崩してうめる。このため県の財政調整三基金の残高は281億円しか残らない。

[4]大形事業には、大盤振る舞い続ける
 公共事業費は1030億9000万円で14.1%。国直轄事業負担金94億7000万円と合わせると1125億6000万円で、生活福祉費 727億円の1.5倍。
◆主な大型開発、大企業優遇予算 
○諫早湾干拓事業推進費 30億6900万円
○新幹線建設推進費 5003万円
○西彼杵道路整備費   47億円 
  (小迎バイパス32億円、指方バイパス15億円)
○街路浦上川線整備費  41億9000万円
  (公共事業37億2000万円 県単独事業4億7000万円)
○長崎南環状線整備費  50億円 
   (公共事業42億円 県単独事業8億円)
○佐世保ニューテクノパーク造成費 22億9200万円 
 (誘致企業むけ分譲団地造成)
○誘致企業むけ賃貸工場整備事業費  2億4000万円

◆県民の利益に反する予算
○県外企業を優遇しすぎる企業誘致推進費 15億9600万円
○国民保護法計画費 625万円
○住民基本台帳システム構築費 1億4千万円
○県立高校改革推進費   918万8000円
  (県立高校の再編、小中高一貫教育の導入)
○使用料・手数料値上げ  50件1728万円
  (県立高校授業料32年連続値上げなど)

[5]暮らしの予算は押さえられる
 予算に占める割合が生活福祉費10.3%、環境保健費 3.6%、教育費22.9%で合計36.8%と低下。久保県政のころ50%台、高田県政で40%台を使っていたのに比べて大きく減っている。

◆県民運動の反映で予算化されたもの
○乳幼児医療費助成 
 昨年10月から入院通院とも就学前までに拡大。就学前までは九州で初。現物給付への改善は拒否。
○私学助成費79億6800万円
  (前年比1億9900万円減)
○学童保育助成費3億4700万円
 (3600万円増)   
○少人数学級編成の導入 
(新年度から小学1年30人、小学6年・中学1年35人)
○県立学校耐震化推進事業費   2億5300万円
○原油高騰対策 1億9400万円(融資と利子補給)
○中小企業向け小規模改修事業 10億円
○離島・へき地の医師確保事業 5000万円
○離島漁業再生支援       7億7700万円 
○商店街再生支援事業  3400万円
○若者・中高年者就職支援   1億3000万円
○長崎県平和発信事業   986万円
 (軍縮シンポジウムなど)



「県行財政改革プラン」について
 2006年度から2010年度の5年間で155億円削減目標としている。
主な特徴は以下の通り。
@職員給与の平均4.8%引き下げ 06年度16億円削減。課長以上のボ−ナスに勤務評価で差を付ける制度・九州初導入。
A職員の定数削減 5年間で教職員・警察をふくめ現在24000人の県職員の4.3% 989人を減らす。
B改革への職員の意識改革 能力や実績を重視した「新たな人事評価制度」の確立と給与・処遇への反映。
C「民間でできることは民間へ」県業務の外部化。指定管理者制度の積極的導入。
D福祉事務所の縮小・統廃合。消費生活センタ−の見直し。県立高等学校第三次改革の実施。県有施設の民間・市町への委譲。
E県交通事業のあり方、島原病院のあり方について検討する。(民営化のねらい)

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