諫早湾の干潟を守る長崎県共同センタ−(代表 高村暎さん)から「諫早湾干拓調整池排水門の中長期開門調査実施に関する陳情書」がだされました。他党が賛成せず意見書決議に至りませんでしたので、県の総合計画にたいする本会議討論のなかで、中田県議が取り上げて開門調査を要求しました。

諫早湾干拓調整池排水門の中長期開門調査実施に関する陳情書


[陳情の要旨]
有明海で起こっている異変、漁業被害の解明のために、諫早湾干拓調整池排水門の中長期開門調査を行うように、長崎県議会において国に要請するよう陳情します。[陳情の趣旨]2001年12月、農水省ノリ不作調査検討委員会は、有明海異変の原因が諫早湾干拓事業にあることが想定されるとして、排水門の短期中期長期開門調査を提言、国は2002年〜5月に短期開門調査を極めて制限された条件のもとで行いましたが、2004年5月、中長期開門調査は実施しないことを表明しました。このため昨年8月、佐賀地裁仮処分命令が指摘したように有明海異変の「より高度の疎明が困難となる不利益」が生じています。

 2005年5月、福岡高裁決定は佐賀地裁仮処分命令を取り消したものの、「諫早湾干拓工事と有明海の漁業環境悪化との関連性は否定できない」としました。高裁決定はさらに踏み込んで、ノリの生産額に限ってみても「大不作の平成12年度と平成16年度の差は実に176億円にのぼる。これに対して諫早湾干拓による計画農業粗生産額は、事業費総額2460億円という巨費の2%にも満たない45億円である。費用対効果という面からも、上記調査、研究の必要性は大きい」として「中長期開門調査を含めた有明海の漁業環境の悪化に対する調査、研究を実施すべき責務を有明海の漁民に対して一般的に負っている」と指摘しています。長崎県議会におかれては、これらの提言と司法の判断を尊重され、中長期開門調査の実施を国に要請されるよう陳情する次第です。