北朝鮮拉致事件の早期解決のため、政府にただちに経済制裁を求める意見書案が、自民党から提出されました。日本共産党などが「まず粘り強い協議が必要」と修正を求め、アンダ−ライン部分が修正されたので、全会一致賛成で可決されました。


〔北朝鮮による拉致事件の早期全面解決を求める意見書〕
 拉致問題をめぐる日朝実務者協議が、さる11月9日から日程を延長して6日間北朝鮮平壌において行われ、関係者の事情聴取や多数の物的証拠を持ち帰ったことなどから今度こそはと大きな期待が国民から寄せられていた。
 ところが、北朝鮮は横田めぐみさんをはじめとして安否不明者10名の消息は「8人死亡、2人未入国」と再調査以前の主張を繰り返しただけである。そのようななか、横田めぐみさんの遺骨として、また、松木薫さんの遺骨として提供された骨は、全く別人のものと判明した。このことは、拉致被害者の家族会等が今回の再調査結果に抱いた疑問や矛盾に対する指摘が現実のものとなり、我が国が求めてきた安否不明者の調査に対する北朝鮮の不誠実さを如実に示すものであり、更には、北朝鮮外務省談話として、朝鮮中央通信は「日本の遺骨のDNA鑑定を特定の目的のために企てられた政治的脚本」と非難を始めたことは許しがたい行為である。
 この際、我が国の尊厳を保つべく、「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」の原則を改めて確認し、北朝鮮に対し粘り強く協議をすすめるとともに、次の諸点を含めて対処し、早期の全容解明を求めるものである。よって、政府におかれては、下記事項を実現するよう強く要望する。
1.「食料支援の中止」「外国為替及び外国貿易法の発動」などの経済制裁を行うこと 
2.万景峰92号の入港を差し止めること
3.横田めぐみさんをはじめとする安否不明者の消息究明と救出に向けて全力で取り組   むこと
4.拉致された可能性の高い失踪者とされる方々を拉致被害者に認定すること

北朝鮮問題の決議を全会一致で可決