10月7日厚生委員会
「年金改悪法の中止求める請願」への中田県議の紹介討論

 「年金制度の改善に関する請願」紹介議員の中田晋介です。ご審議の上ぜひご採択くださいますようお願い致します。本請願は、年金制度改革法を白紙に戻し、国民的な議論をへて作り直すように求めるものであります。

 その理由の第一は、圧倒的多数の国民世論が求めているからであります。参議院選挙で自民党が議席を大きく減らした主な原因が、国民の「年金改悪への不満」にあったことは明らかです。選挙後の世論も、7月14日の朝日新聞で「年金法は白紙に戻せ」が79%、19日の毎日新聞で「年金法は作り直せ」が78%など、年金法の撤回とやり直しを求める声が多数派であります。第二に、法律の内容において、政府がいってきた「保険料は上限固定、給付は現役の50%確保」というのが真っ赤なウソで、負担はどこまでも上がり、給付はどこまでも減るということが明らかになりました。これでは保険料が払えなくて年金をもらえない人が増える「年金の空洞化」が、いっそう進み、国民の老後の生活保障を危うくします。第三に、やりかたとしても問題があり、参議院で与野党が合意していた質問すら打ち切って問答無用の強行採決をおこない、厚生労働省は、年金試算の基礎となる出生率のデータを隠していたことが発覚しました。また強行された年金法には、40か所もの条文ミスがありました。これは年金受給者432万人にも影響が及ぶものであり、官報による訂正ですむものではありません。当然、審議をやり直すべきであります。

 年金制度で、いちばん大切なものは国民の信頼であります。長い間保険料をはらい、老後に年金の給付を受け取る長い命を持つ制度が、これほど国民の信頼を欠いては、うまくいくはずがありません。民意を厳粛に受け止めて、年金法を白紙に戻し、国民的な議論を尽くして作り直すように求める請願であります。よろしくご採択くださいますようお願いいたします。


  年金制度の改善に関する請願   
           請願人 全日本年金者組合長崎県本部執行委員長

1.請願の要旨 年金制度は、全国民にとって老後を安心して暮らせるかどうかに関わる重大な制度です。そのため年金改革のためには、@現在の年金制度の問題点を明らかにし、A土台をしっかりさせるために、最低保障年金制度の実現こそが今求められている改革です。そのため国に対し次の3点について意見書を提出いただくよう請願いたします。@「改革」年金法の実施を中止し、すべての国民が安心して暮らせる年金制度にするために国民的議論をし直すこと。A全額国庫負担による「最低保障年金制度」をつくること。B過大な積立金を不正に流用したり、株式投機に使ったりせず、保険料と給付の改善に使うこと。

2.請願の理由 6月5日「年金制度改革法案」は質問者を残すなど審議不十分なまま成立させられました。この「改革法案」は、その内容の点からも、成立のさせ方においても納得できるものではありません。国民年金についても厚生年金についても、保険料の引上げは上限のないことが明らかになりました。これでは、今でも保険料の払えない人が4割にも達している国民年金の一層の空洞化は避けられません。また際限のない負担増が、国民のくらしと地域経済への否定的な影響をもたらすことは明らかです。給付は厚生年金だけでなく低額の国民年金も、また、すでに受給中の年金も引き下げられます。また、増え続けている無年金者・低年金者、女性の低年金という深刻な課題は放置されたままです。現役世代もふくめて国民の将来への不安は大きくなるばかりです。このことは、年金法成立後の世論調査でも「年金法7割評価せず(毎日)」「年金法に不満67%(朝日)」と年金法に反対する意見が多数を占めていることに表れています。政府はこれらの国民の声に耳を傾け、憲法25条順守のためにも「改革年金法」の実施を中止し、国民的議論をし直すべきです。

「改悪年金法の実施を中止し、国民的議論をし直すことを求める請願」が出されましたが、賛成は日本共産党 だけで、自民・公明・民主・社民の反対で不採択になりました。
請願書は討論の下にあります