乳幼児の福祉医療費についての質議
(2000年12月14日厚生委員会)

【西村議員】
 私は、乳幼児の医療費の助成の問題について、2点ほどお尋ねしたいと思います。
 いま、県は乳幼児の通院、入院についての医療費の助成がされています。そして今年度からは、就学前までの入院についての助成が拡大され、子育て真っ最中のお母さんたちからは非常に喜ばれておりますけれど、今、一部負担がありますね。この一部負担についてはお年寄りの医療費と連動し、そちらが上がれば、こちらも上がるというふうに準用されているのではないかと思いますが、今は1回につき530円、限度額2120円と一部負担がされています。でも、全国的な状況や九州管内の状況をみると、大分などでは一部負担は一切取っていないんですね。また、佐賀県なども300円の負担という形で運用がされている状況です。ですから、これが引き上げられる事になってはならない。せっかく知事が、賞しか対策に効果があるということで、就学前まで入院についての助成の拡大を行われた矢先に、通院した途端に負担が増えてしまって、なかなか利用しにくいなどということではなく、やはり安心して子育てができ、安心して子どもを産めるという制度の充実を図っていくためにも、後退をさせない対策をとって頂きたいと思うのですが、この点について、どのようにお考えになっているのか、お尋ねをしたいのですが。

【草原児童家庭課長】
 乳幼児の福祉医療費についてのお尋ねでございます。今、委員がおっしゃいましたように、本県については、昭和58年ごろにさかのぼりますけれども、自己負担分については、老人保険法を準用して自己負担の額を定めてまいっております。今回も、先般の国会で老人保険法の改正が成立をしたということで、それに基づいて自己負担額ついては、国において詳細なデータ等から試算され、無理のない範囲で決められておるということで、これを準用していくことが適切であると考えておりますし、最小限の負担をお願いしていくことになると考えております 先ほど大分県の事例等もおっしゃいましたが、この制度は全国的に統一された制度ではございませんで、もちろん国の補助制度もありません。都道府県と市町村が半分ずつ負担をして、その助成制度をつくり上げております。そういうことで、自己負担の額そのものが全てではございません。長崎県は今年、今、おっしゃいましたように、乳幼児の医療費については3歳未満だったものを、入院については6歳までと拡大をいたしております。そういった年齢の問題であるとか、あるいは長崎県は所得制限は適用しておりますけれども、他のところでは、例えば児童手当などの所得制限を利用した県とかもございます。児童手当の場合には、年齢層がその制度に合致するという場合でも、全体の7割程度しか精度を活用できないとかいった県もございますので、全体的に見ていただいて、今回の改正についてはご理解をいただきたいと思っております。

【西村議員】
 今回の改正でどう変えようとされているんですか。一部負担が1日530円がどうなるのか。また限度額はどうなるのかお尋ねいたします。

【草原児童家庭課長】
 現在、1日当たり530円、月額の上限が2210円でございますが、今回の老人保険法の改正によりまして、1日あたり800円、月額の上限が3200円となるわけでございます。ただ、老人保険法の内容としては、入院については37000円という月額の上限等もございますが、福祉医療費については最低限の800円の4倍である3200円と入院の場合もこれを限度額とするということになります。

【西村議員】
 この制度が発足したときは一切一部負担は無かったんですよね。そういう利用しやすい状況で導入されましたけど、老人保険法が成立して、お年寄りの方がたからも病院代について負担をしてもらうという制度の後退が起こったときに、乳幼児の医療費助成にもそれが引き込まれてきているわけですが、いま、特に子どもを産み育てにくい状況が生まれていて、その一番大きな原因が経済的理由という状況です。お金がなくてなかなか結婚もできないという事態もあるなかで、子育てするのにいちばん金のかかる、若い、所得の少ない時期の人達に、子育てのほんのいっときの期間に応援をしてあげるのは政治の責任と思いますし、そういう趣旨でこの制度ができたと思うんですよね。長崎県の場合、わずかな負担で限度額も3200円じゃないかと言われますけど、新潟県の場合は、これまで老人保険報にもとづいて、お年寄りの医療費が上がれば連動して一部負担金も上がるという形だったのが、今の少子化対策のなかで、乳幼児医療費については今回上げないと英断をされているわけです。そういう県もあるんですよね。まだ、予算の執行の前ですので、私はぜひこの事については見直しをしていただきたいと言うふうに思いますが、部長、ぜひこの事について検討を加えていただけませんでしょうか。

【永石福祉保健部長】
 ただいまご質問のあった件についてお答えしたいと思いますが、乳幼児医療につきましては、昨年来のご要望にこたえ、入院について6歳未満ということで拡大をしたばかりでありまして、その一部負担については、従来から老人福祉法にあわせてふうな趣旨でやっておりますので、現時点ではそういう方向で続けて生きたいというふうに思っております。

【西村議員】
 この事については、少子化対策ということで、是非今後ご配慮していただきたいということを、強く求めておきたいと思います。
 それからもう一点お尋ねしたいのですが、この制度をもっと利用しやすくしていただきたい、そのためにも窓口払いではなく現物給付にしてもらいたい、償還払いをやめていただきたいという要望がものすごく強い訳ですよね。せっかくつくった制度が多くの方に利用されることは大事なことと思うんですが、これを現物給付に出来ないかということで、調査もし、検討も加えるということでしたが、その後どのように検討されてきたのかお尋ねします。

【草原児童家庭課長】
 乳幼児福祉医療は現在償還払いをしておりますけれど、これを現物給付に移行できないかというご質問でございます。これにつきましては、市町村の意向というの尊重されるわけでございますけれど、実は昨年の12月に市町村の意向をお伺いしております。これによりますと、県内の全市町村の中で、57市町村が現状のままがよろしいというふうな回答をいただいております。この理由としてはいろいろあるわけですけれども、国保交付金のカットであるとか、医療費が高騰する傾向になるのではないかということで、現在のところ、そういった市町村の意向を踏まえて償還払いを続けております。九州各県の状況としては、福岡、佐賀が現物給付しておりますけれど。今年の2月から大分県が加わっております。熊本県は併用ということでございます。現物給付については市町村の意向がその後どうなるのか、大分県が初めて間もなく1年になるわけですけれど、この辺でどういう問題が生じているのか、生じていないのか、その辺についてもまた改めて調べてまいりたいと思います。

【西村県議】
 できない、現状のままがよいと。できない理由として、国保交付金がカットされるということと、医療費の高騰が起こるからということだったんですか。医療費が上がるからと言うのは、何か、利用して貰わないほうがいいというふうに、折角つくった制度を、利用しない人がおるのを見込んで今の制度をやっていこうという事にだってなる。何のためにつくった制度なのかと思いますが、その点矛盾を感じないのかというのが一点。
 それと、交付金のカットとか、国がそうしたさまざまな圧力をかけることは地方自治への大きな介入だし、やめるように強く国に対して求めていくべきと思いますが、そういう努力はされているんですか。
 もう一つ、これまで手続きが面倒くさいから償還払いをしない、もらわないという人たちをふくめ、窓口払いが無くなれば、多くの人が利用できるということで喜ばしいことで、少子化対策に効果的と思います。そういう観点から、私どもは昨年、大分県に勉強に言ってまいりました。そこでは、そういうこと含め、県の主導でやるということで現物給付に踏み切っているんです。以前は長崎県では医師会のほうもなかなかいい顔をしないという答弁があっていたようですが、小児科の方とも懇談いたしました。いま、特に小児科の経営は大変なんですね。多くの子どもさんに、病気がひどくならないうちに、ちょこちょこ足を運んでもらいたいということもありますし、また、償還払いに領収書を発行しなければわけですが、その事務手続きが大変で、職員を一人張りつけているんだけど、忙しいときにはもう一人臨時に雇わなければならないという状況も起こったりして、もう償還払いよりも現物給付の方がうんと人件費の面でも負担にならないという医師会側の気持ちもあります。それに、役場の窓口もそういう意味では大変手上簡素になってくわけですからいろんな面でいいという方向になる。佐賀県は国保交付金がカットされるということで、いろいろ協議し、それは県が補填をしてでもやっていこうということでやっていますと言うことも言われたんですね。私は、ぜひ現物給付にして、多くの方が利用できる状況にかいぜんしてもらいたいと思うんですが、改めてそういうことで検討を加えていただけないかを要望したいのですが。また、電話で聞くだけでなく、実施されている大分県がなんで現物給付と年齢拡大を一気にやったのか、ぜひ現地に行って確認もし、長崎県に活かして頂きたいと思うんですが、是非、部長からご答弁をいただければと思います。

【答弁】ご要望の趣旨はよく理解できました。各県の状況もよく調べて、対応してまいりたいというふうに思います