2005年2月19日(土)「しんぶん赤旗」

核兵器の廃絶へ

広島、長崎市長ら要請

保有5カ国に “約束”果たしなさい


 広島、長崎両市をはじめ平和市長会議や日本非核宣言自治体協議会に参加する自治体の市長らが十八日、五月にニューヨークの国連本部で開かれるNPT(核不拡散条約)再検討会議で核兵器廃絶に積極的な役割を果たしてほしいと外務省、核保有国五カ国の大使館に要請しました。


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要請行動の後、共同インタビューで質問にこたえる(右から)秋葉忠利広島市長、伊藤一長長崎市長、山下三郎広島県廿日市市長=18日、東京・千代田区

 要請したのは、広島市の秋葉忠利市長、長崎市の伊藤一長市長、広島県廿日市市の山下三郎市長、大阪府枚方市の木下誠副市長、那覇市の名嘉元甚勝収入役の五氏です。

 日本政府や米国にたいし、前回のNPT再検討会議(二〇〇〇年)の核兵器廃絶の「明確な約束」を米国が反故(ほご)にしようとしていると指摘し、二〇二〇年までに核兵器をなくすという平和市長会議の提案がNPT会議で採択されるよう役割を果たしてほしいと協力を求めました。

 応対した谷川秀善外務副大臣は「提案を前向きに検討したい」と回答。市長らは、被爆者である山下廿日市市長を日本代表としてNPT会議で発言させてほしいなど提案をしました。米国大使は「核兵器は究極的には廃絶しなければならないが、現状ではなかなか難しい」とのべました。

 要請後の記者会見で秋葉広島市長は「日本政府が(NPT再検討会議で)どのような提案をおこなっていくのかが大事になっていると思う。日本政府に、われわれとこういうことを一緒にやりましょうという立場で働きかけている」と強調しました。

 伊藤長崎市長は「二〇〇〇年のNPT再検討会議では核兵器廃絶の明確な約束が実現したが、現実は逆の方向だ」とのべ、今回の再検討会議の成否に危機感をもって臨んでいるとのべました。

 平和市長会議 世界の都市が国境を超え、核兵器廃絶に力を合わせようと、第二回国連軍縮特別総会が開かれた一九八二年に広島、長崎両市長が呼びかけて結成。核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で広げていくことを目的としています。現在、世界百十カ国・地域七百十四都市が賛同。広島市長が会長を務めています。

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