若者熱唱2千人 ピースジャム長崎


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立ち上がって合唱するピースジャム参加の青年たち=8日、長崎市民会館体育館

 原水爆禁止世界大会に参加した海外と日本の二千人の若者が八日、長崎市の市民会館で「ピースジャム2003」を開きました。

 会場いっぱいに広がる拍手、歓声、指笛、歌声、ピースウエーブ。「青年の手で戦争も核兵器もない世界をつくるんだ」という熱気とパワーを爆発させました。

 イラク戦争をきっかけに、反戦平和の運動が全国に広がりました。スライドで各地のとりくみが紹介されると、拍手がわきおこります。

 何百人という青年が入れ代わりでステージに登りました。布に平和の思いを集めてタペストリーにした人たち、大きな折り鶴にメッセージを集めた人たちや高校生たち。「一人で難しいなら、だれかと足を踏み出そう」「僕たちの運動でこれからの日本の未来が決まる」「私たち青年から平和の声をあげていきましょう」などと訴えました。

 被爆者の葉山利行さん(73)、原水爆禁止世界大会起草委員の川田忠明さんが講演。被爆体験の継承、核兵器廃絶署名を集めること、戦争協力を拒否する声を職場・地域・学園で広げること−−を柱とするアピールを採択しました。


国連の平和のルールで議論

原水爆禁止世界大会・長崎

外国政府代表と対話集会


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外交官も参加して開かれた「政府代表とのフォーラム・国際政治と草の根をむすんで−−NGOと政府代表との対話」=8日、長崎市・センチュリーホテル

 原水爆禁止二〇〇三年世界大会・長崎は二日目の八日、十二の分科会と大会に参加している外国政府代表とのフォーラム、ピースジャムや女性のつどいなどの関連行事を催し、核兵器廃絶をめぐり多面的に議論しました。

 「国際政治と草の根を結んで」と題した政府代表とのフォーラムは今年で三回目。市内ホテルの会場には、エジプトのマハムード・カレム大使とバングラデシュのマフブブ・ウズ・ザマン参事官が出席しました。海外代表、国内の代表合わせて二百四十人が参加しました。

 カレム大使は「先制攻撃や政権転覆は国連憲章と相いれない」と指摘。「国連憲章に基づく国際的正当性の原則を再び掲げる必要」があり、そのために「みなさんのような市民社会の献身と声を求めている」とのべました。ザマン参事官は、「軍縮によってこそ真の安全保障は可能だ」とし、核不拡散条約(NPT)のもとでの核軍縮の義務を核保有国が果たすべきだとのべました。

 核抑止論にかんする質問にザマン参事官は「核抑止論は不安定を拡大させるだけであり機能していない」と答え、「協力的安全保障の枠組みを構築すべきだ」と訴えました。

 ニュージーランド平和基金のケート・デュースさんは、非政府組織(NGO)が同国の非核政策の形成に果たした役割、政府や自治体と協力して国連で核兵器廃絶に向けた外交を展開していることを紹介しました。参加者からは「県知事、地元銀行の元頭取らにもメッセージをもらい反核の新聞意見広告を出した」(長野)などの発言がありました。


平和願い女性歌う 海外含め1200人


 ♪青い空は青いままで子どもらに伝えたい…。

 女性たちの平和への願いが歌声になって響きます。「核兵器なくそう女性のつどい2003」が八日、長崎市民会館でおこなわれ、海外の女性を含めて千二百人が「戦争も核兵器もない地球を」の思いを一つにしました。

 実行委員会を代表して、新日本婦人の会の井上美代会長(日本共産党参院議員)があいさつ。平和な明日をめざす九月十一日家族の会のテリー・ケイ・ロックフェラーさんは、同時多発テロで妹を亡くした経験を語り、「核兵器をなくすため、平和運動を続けよう」と呼びかけました。航空労組連絡会の内田妙子議長は、有事法制反対の大波が法律を発動させない運動として引き継がれていることを紹介し、「命と安全を守り、軍事協力を拒否します」と訴えました。

 長崎原爆遺族会の下平作江会長は、家族を亡くした痛苦の体験を語り、「みなさんの足元には遺骨が埋まっています。戦争はイヤ、核兵器はいらないと言ってください」と訴えました。韓国原爆被害者協会の宋任復(ソン・インボ)さんは、六日の広島市平和記念式典で涙があふれ、隣のアメリカの女性が手を握ってくれたことを語りました。

世界大会2日目、様々なつどいが…