二日からおこなわれていた原水爆禁止二〇〇二年世界大会は、長崎への原爆投下の日の九日、世界大会・長崎の全体総会をおこない、その幕を閉じました。全体総会は、地球上のいずれの地にも核の地獄をくり返させないとの「長崎アピール」と、大会の意思として国連および各国政府に送る手紙「ヒロシマ・ナガサキをくり返さないために」を採択しました。
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閉会にあたり、運営委員会の高草木博氏(日本原水協事務局長)は、広島、長崎の大会を通じ核兵器廃絶への連帯が深まり、その実現の展望を切り開く大会となったとのべ、大会が採択した「国際会議宣言」などの文書の意義を強調。核兵器廃絶の声をさらに全世界と草の根でひろげていこうと呼びかけました。
会場の長崎市民会館・体育館には、二千五百人がつめかけました。
長崎市の代表が、平和な世界をめざし、ともに行動してほしいとの伊藤一長・長崎市長のメッセージを代読。エジプトとマレーシアの政府代表が参加していることが紹介されると、大きな拍手がおきました。海外代表が次々と発言し、「あなたがたのたたかいは私たちのたたかい」と連帯を表明しました。
「日本をアメリカの核戦争の出撃基地にさせない」(長崎・佐世保や神奈川の代表)、「有事法制の採決強行をくいとめた国民的たたかいをさらにすすめよう」(全労連)、「六日、九日の地道な核兵器廃絶署名行動が地域を変えている」(佐賀)など草の根のたたかいがだされました。
採択された「長崎アピール」は、核兵器使用を防ぎ、核兵器廃絶のイニシアチブを発揮するよう日本政府に求めていくことなどを呼びかけています。
国連、各国政府への手紙は、(1)核兵器の使用や威嚇を防止するためにあらゆる措置をとること、(2)核兵器完全廃絶の「明確な約束」の実行のために行動することを要請しています。