2002年8月10日(土)「しんぶん赤旗」

米の核政策は独断的

長崎市長、平和宣言で批判


 五十七回目の長崎原爆の日を迎えた九日、長崎市主催の平和式典が同市の平和公園で開かれ、伊藤一長長崎市長は「長崎平和宣言」の中で、米国政府を初めて名指しして、「国際社会の核兵器廃絶への努力に逆行」と強く批判しました。

 「平和宣言」は、ブッシュ米政権が核による先制攻撃の可能性まで表明したことなどをあげ、「一連の米国政府の独断的な行動を、私たちは断じて許すことはできません」と抗議しています。

 また、福田官房長官の非核三原則見直し発言を、「被爆地長崎の心を踏みにじ」るものと批判。非核三原則の法制化を求めるとともに、「核の傘」に頼らない姿勢を国際社会に明確に示すよう訴えました。そして、NGO(非政府組織)、自治体、国連機関の連帯を図る決意を表明しました。

 小泉純一郎首相は長崎市の平和式典で、米国の危険な核戦略に一言もふれず、なんの裏付けもなく「核兵器の廃絶に全力でとりくむ」などとのべました。