2000年11月14〜15日 対政府交渉での要請書
 
運輸大臣 森田 一様        

 来年度予算編成にあたり、平和と国民のくらし・福祉の向上のため、長崎県民がつよく願っている以下の項目について、対策を強められるよう要望します。

                 記

1、海上交通の安全をはかる上で福江市鴨島の音無瀬に灯台の設置を再三要求して きた。
  昨年の陳情のなかで「灯台新設は予算の関係で難しいが、海上交通の安全を図る上で陸からの照明器を考えている」との回答があった。しかし、1年経過した 今日、まだ照明器設置に至っていない。海上交通の安全をはかるため早急に実現 するための予算をつけること。

2、長崎県は西の端に位置し、観光は主要産業である。観光客誘致には飛行機へ  の依存度が高い。このところの観光客の激減は、観光産業を圧迫しホテルの閉鎖 も相次いでいる。地域振興をはかるうえからも、長崎空港への飛行機の乗り入れ、 離発着にかかる料金への補助をおこない、運賃の軽減をはかること。
                                 
                                  以上

 文部大臣 大島理森様           
  来年度予算編成にあたり長崎県民が強く願っているよりよい教育、くらし・福祉の向上を図るため、以下の項目について国として対策を強めるよう要望いたします。
 
                記

1、鎖国時代、長崎の出島は唯一諸外国に開かれた貿易港であった。長崎港の歴史 的経過にてらし、出島和蘭商館跡の復元整備事業には、国が基本的な財政負担を (用地費を含み)して促進すること。
日蘭交流400周年記念事業にともなう経費についても、国が応分の負担をお
 こなうこと。

2、長崎県立大学が教授会において「日の丸を掲示しない」と確認したにもかかわ らず、長崎県は同大学に対して再三にわたり、「日の丸」掲示を強要している。
 また、県議会において特定の立場から学長個人の「思想」にたいする非難攻撃が
 行なわれた際(2000年9月県議会)、県知事と担当理事はこれに同調する答 弁をおこなっている。
 これらは、憲法23条が掲げる学問の自由とそれにもとづく大学の自治への干渉 である。
 行政当局が長崎県立大学に対して、「日の丸」掲示の強要や、学問の自由と大学 の自治に干渉することのないよう適切に対処すること。
                                              以上

外務大臣 河野洋平様           

 核も基地も戦争もない世界平和こそ被爆地長崎県民の願いです。21世紀は平和と友好の時代です。国は日本国民、人類の未来のためにただちに行動をおこすよう以下の項目を要望します。

                         記

1、21世紀を核兵器のない平和な時代にするために、被爆国である日本政府が、 核兵器全面禁止・廃絶の国際協定が速やかに締結されるよう、世界の舞台で先導 的役割を果たすこと。

2、長崎県の基地佐世保では米艦船の入港が頻繁に行なわれている。アメリカの公 文書によると、これらの艦船への核兵器の搭載はあたりまえのこととされている。 国は県民・国民の安全をまもる立場から、日米「核密約」の疑惑実態を県民の前 に明らかにすること。また、ただちにその密約を破棄すること。

3、長崎県では知事も県議会もそのたびに、未臨界核実験に抗議している。国にお いても、核保有国の未臨界核実験に抗議すること。

                       以上

 建設大臣 扇 千景様          

 来年度予算編成にあたり長崎県民が強く願っている平和とくらし・福祉の向上をはかるための以下の項目について国として対策を強められるよう切に要望します。

                記

1、長崎県の急傾斜地崩壊危険箇所は、平成8年度の調査では広島県に次いで2番 目に多い。
 なかでも、長崎市内には1040箇所の急傾斜崩壊危険箇所が集中している。し かし、防災工事の着手率は長崎市においてはわずか16%と、全国平均をはるか に下回っている。人命優先の立場から、国の関係予算の増額をはかり早急に着工 できるようにすること。

2、諫早市の本明川ダム建設計画は、住民合意がはかられておらず、安全性への不 安も強いものがある。安全性が確認されるまで建設計画を凍結すること。

3、長崎県の諫早市から高架道路を島原半島先端まで通し、そこから熊本県天草、 さらに鹿児島県までつづく三県(長崎、熊本、鹿児島)架橋計画が推進されよう としている。
  こうした計画は住民の要求からでたものでなく、県民にも莫大な財政負担を強 いる従来型のムダな事業である。この計画は白紙に戻すこと。

                            以上






 厚生大臣 津島雄二様     
        
 来年度予算編成にあたり、平和と国民のくらし・福祉の向上のため、長崎県民がつよく願っている以下の項目について、対策を強められるよう要望します。

                      記


1、被爆者援護対策の充実をはかること。
 @再び被爆者をつくらない証として、被爆者援護法に国家保障を明記すること。
 A長崎原爆松谷訴訟の判決を尊重し、原爆症認定の見直しをおこなうこと。
 B長崎市とその周辺市町村から提出された「原子爆弾被爆未指定地域証言調査報
告書」を真摯に受け止め、爆心地から半径12キロメ−トルの範囲にある未指
定地域を健康診断特例区域に指定し、必要な措置を速やかに講ずること。
 C老人保健法実施以来、老人被爆者医療費が地方自治体に負担転嫁され、長崎市
においては毎年約7億円余の財政負担が強いられている。過去にさかのぼって
  国が財政負担をおこなう措置を講ずること。
 D介護保険制度の施行にともない、新たに自己負担が生ずる被爆者への助成措置  をおこなうこと。
E原爆被爆者養護ホ−ムへの措置費の完全補填と施設整備、老人福祉施設入所被  爆者援護給付費などへの特別な財政措置を講ずること。
 
2、長崎市では、高齢者、低所得者への介護保険料・利用料の減免制度を実施する 方向で検討している。国は、こうした自治体の意向を尊重すること。      

3、ゴミの広域処理計画の見直しについて
 ゴミ問題の解決には、分別とリサイクルの促進によるゴミの減量化とダイオキシ ン等の発生を抑制する対策がもとめられる。
 長崎県の諫早市を中心とする地域では、諫早市に大型焼却炉(450トン)を建 設する計画がすすめられている。諫早市に建設予定の施設は、3市21町のゴミ を一箇所に集め焼却処分するもので、エネルギ−を大量に消費することにつなが り、地球温暖化防止への世界の動きに逆行するものである。
 また、大量のゴミを一箇所に集中させることは、周辺地域の環境汚染にもつなが り、周辺住民の健康悪化も考えられる。
 以上をふまえ、この計画を見直し、住民の合意の元に公害のない適正な処理施設 を実現するよう、関係省庁とも連携をとり指導すること。
                                         以上

 農林水産大臣 谷 洋一様       

来年度予算編成にあたり、平和と国民のくらし・福祉の向上のため、長崎県民がつよく願っている以下の項目について、対策を強められるよう要望します。

                           記

1、諫早湾干拓事業の見直しを
 @排水門を開けて、調整池内の水質浄化と干潟の再生をはかること。
 A2001年度における諫早湾干拓事業の再評価にあたっては、地元住民や関係
団体等の意見が十分に反映できる委員会をつくり事業の見直しを行なうこと。
 B干拓工事開始後あいついでいる赤潮の発生や、タイラギ貝やアサリ貝の死滅、
養殖ワカメへの被害など干拓事業との関係について、第三者機関による科学的究明をおこない、漁業被害への対策をこうじること。

2、長崎県の漁業を守るために
 @新日中漁業協定の発効にともない長崎県沖合の排他的経済水域での中国側の底  引き、まき網漁船との漁場競合が懸念される。
長崎県の漁業者が安心して操業できるように必要な措置をこうじること。
A長崎魚市への輸入魚が急増(全体の12.8%。99年実績)している。そのため魚価格は低迷し県内漁民にとって死活問題となっている。輸入規制による魚価格の安定をはかるため、ひきつづき対策を講じること。
 B対馬近海における底引き漁船などの期限・区域を無視した不法操業は水産資源の枯渇を招き沿岸の漁民にとって死活問題となっている。漁法についての規制び対策を講じること。
                                         以上

 防衛庁長官 虎島和夫様        

 来年度予算編成にあたり、平和と国民のくらし・福祉の向上のため、長崎県民がつよく願っている以下の項目について、対策を強められるよう要望します。

                            記

1、佐世保米軍基地の整理縮小と早期返還を求めること。
@西海町へのLCAC基地新設を中止すること。
 米軍と日本政府との交渉経過を明らかにし、正確な情報の公開をおこなうこと。 また、西海町、米海軍、政府とのLCAC訓練協定締結交渉の現状を明らかにす ること。
 崎辺への新たな施設整備計画に協力せず、騒音被害などの根本的解決のために港 内での運転運行の中止を要求すること。長崎県下からLCAC基地撤去を米軍に 要求すること。
A長崎県佐世保市が要求している佐世保基地にかかわる「新返還六項目(前畑弾薬 庫、赤崎貯油所の県道改良にかかわる部分、赤崎貯油所の日米共同使用施設の部 分、ジョスコ−線、立神岸壁一号バ−スから五号バ−スまで、佐世保港制限水域 の返還)」にすみやかにこたえること。
B佐世保重工第三ドックの米軍優先使用協定を見直すこと。
C佐世保重工構内道路の米軍優先通行権(イーズメント)を廃止すること。
D前畑弾薬庫の針尾統合による弾薬庫新設をやめること。弾薬庫は撤去し跡地は無 条件で返還すること。針尾住民への説得を自治体に押しつけているが即刻中止すること。
E県有地提供による米軍住宅増設を中止すること。
F佐世保港の住み分けというが、立神返還、前畑返還などする保障は全くない。単 に米軍施設の大増強をすすめたと言うことになりかねない。返還交渉に全力を尽 くすこと。


2、米軍機の長崎空港の使用、米艦船の長崎港などへの入港をやめさせること。

3、周辺事態法第9条における自治体・民間への軍事協力の押しつけをしないこと。
4、ガイドラインに沿った相浦陸上自衛隊駐屯地に計画されている緊急即応部隊の 創設、ミサイル高速艇の配備、貯油所増設、金山弾薬庫増設など、基地強化計画 をいっさい中止すること。

5、自衛隊創立記念日に自衛隊・戦車による市中行進や市内駐屯地での大砲・機関 銃などを使用した模擬戦などは今後一切中止すること。

以上

通産大臣 平沼赳夫様          
  
 来年度予算編成にあたり、平和と国民のくらし・福祉の向上のため、長崎県民がつよく願っている以下の項目について、対策を強められるよう要望します。

                         記

1、ワシントン条約による「タイマイ」の輸入禁止にともなって設立された長崎べっ 甲資料館に対する国の運営費は打ち切らず継続すること。
 また、長崎の伝統美術工芸を継承するために、べっ甲原材料の「タイマイ」輸入 再開に力をつくすこと。
                                         以上